アップルメガネ(仮称)のプライバシー対策はどうなるのか

スマートグラスの盗撮問題が深刻化、ドリルで録画ランプを削る改造も登場してしまう

多根清史

Image:Mijansk786/Shutterstock.com

Metaの「Ray-Ban Meta」だけでなく、中国のRokidなど他社製スマートグラスでも、「ガラスホール(glasshole)」問題、すなわち盗撮やプライバシー侵害の温床となっている事例が複数報告されている。

中国メディア「瀟湘晨報」の報道によると、米国でも販売されているRokidのAIグラスが、中国で客室乗務員などを無断撮影する用途に使われ、その動画がRokid公式コミュニティ内で公開されていたという。Weiboで話題となった動画には、春秋航空のCAとのやり取りを無断で撮影したものなどが含まれていたとのことだ。

同メディアは、公式コミュニティ内に同様の動画が他にも数多く存在し、そのほぼ全てが被写体の同意を得ずに撮影されたように見えると指摘している。GizmodoはRokidにコメントを求めたものの、記事掲載時点までに回答は得られなかったとされる。

瀟湘晨報はさらに、Rokidグラスの録画を示すLEDインジケーターを隠すためのステッカーが、サードパーティから多数販売されていると伝えている。これらのステッカーは、本来であればLEDが覆われた際に録画を停止するためのセンサー検知を回避し、録画機能を維持したままLEDだけを隠せるという。同種の商品はRay-Ban Metaグラス向けにも販売されていると、別のメディアも報じている。

録画インジケーターを無効化する方法は、ステッカーだけではないようだ。ジャーナリストのジョアンナ・スターン氏は、米国各地でLED部分をドリルで削り取る改造を請け負う業者まで存在していると報告している。

こうしたリスクは、カメラを搭載したスマートグラスのほぼ全てに共通する問題である。メガネを掛けた人はあらゆる場所に存在し、小型の内蔵カメラは周囲から気づかれにくい。どれだけ便利であっても、構造的に他人のプライバシーを侵害しやすく、実際の利用現場を監視・規制することは極めて難しい。

今後1〜2年以内には、アップルやサムスン、Googleといった大手企業がスマートグラス市場へ本格参入する見通しだ。アップルはまだ噂段階にとどまるものの、サムスンとGoogleは共同開発した製品群をすでに予告している。これらの企業がプライバシー保護に関する有効な対策を打ち出せるのか、今後の動向に注目が集まりそうだ。

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