PS5時代に1本も新作を出せず解散したスタジオも
PlayStation専用ソフト販売、5年でほぼ半減。リメイク偏重と新作不足の代償か

ソニーのPlayStation事業(Game & Network Services)は増収増益を続けているものの、過去5年間でソニーのファーストパーティタイトルの販売本数が大きく落ち込んでいることが明らかになった。
海外ゲームメディアGame Fileがソニーの公開情報をまとめたデータによると、ファーストパーティタイトルの販売本数は2020年度(2020年4月〜2021年3月)の約5840万本をピークに減少し、2024年度には約2890万本までほぼ半減した。各年度とも前年度を下回る状況が続き、2025年度には約3210万本までわずかに持ち直したものの、依然としてピーク時から大きく乖離した水準にある。
なお、2020年度はPS5本体のローンチに加え、『The Last of Us Part II』『Ghost of Tsushima』『Marvel’s Spider-Man: Miles Morales』といった大型タイトルが集中した年である。一方の2024年度は、『Concord』の大失敗など特殊要因を抱えていた年度でもあった。そのため両年度とも外れ値と見ることもできるが、それでも全体として減少傾向が続いていることは否定しがたい。
ピークを記録した2020年度は、世界的なコロナ禍によるロックダウン下にあり、「巣ごもり需要」が強く働いた時期だった。もっとも、その後にPlayStationゲーム全体の売上が急減したわけではなく、落ち込みが目立つのは主にファーストパーティタイトルである。状況としてはPlayStation事業全体が堅調な一方で、ファーストパーティだけが「独り負け」に近いと言える。
その一因として、近年はリメイクやリマスター作品の比率が高まる一方、完全新作、とりわけシングルプレイの大作タイトルが減少していることが指摘されている。この期間にも『God of War Ragnarök』は1500万本超、『Helldivers 2』は2000万本超を販売するなど大ヒット作は存在した。しかし、それだけで全体の販売本数を押し上げるには至らなかった。
さらに、ソニーが買収した開発スタジオの中には、PS5世代に入ってから新作を1本も発売していない例も目立つ。過去作のリマスターで知られるBluepoint Gamesは、ライブサービス版『ゴッド・オブ・ウォー』の開発に着手したもののキャンセルされたと報じられており、今年初めには閉鎖された。London Studioも解散しており、Haven Studiosについても新作の具体的なリリース情報は途絶えたままだ。
本日朝、ソニーは配信番組「State of Play」において、完全新作『Intergalactic: The Heretic Prophet』および発表済みタイトル『Marvel’s Wolverine』の新規トレーラーを公表した。一方で同社は、今後シングルプレイ主体のPlayStation向け大作についてはPC移植を行わない方針だと報じられている。
今後は「PS5でしか遊べない独占タイトル」の層を厚くし、ハード販売との相乗効果を狙う戦略へと軸足を移していくことになりそうだ。
