実効性は「代替の承認済みドライバー」があるか次第?

Windows、“問題ドライバー”を自動削除する新機能「CIDR」導入へ

多根清史

Image:Melnikov Dmitriy/Shutterstock.com

マイクロソフトが、Windows Update経由で配信された問題のあるドライバーを自動的に削除し、既知の正常なバージョンに置き換える新機能を導入すると発表した。

新ツール「Cloud-Initiated Driver Recovery(CIDR)」は、品質に問題があるドライバーをクラウド側から自動的に「正常だった時点のバージョン」へロールバック(巻き戻し)する仕組みである。対象となるのはWindows Update経由で配信されたドライバーで、これまで必要だったユーザーやハードウェアベンダーによる手動アンインストールや差し替え作業を減らせる可能性がある。

マイクロソフトのHardware Dev Centerブログによると、同社内部の評価プロセス「Shiproom evaluation」でドライバーを審査し、問題ありと判断されたものがロールバック対象となる。

問題が確認された場合、マイクロソフトはクラウド側から「回復アクション」を実行し、Windows Updateの仕組みを通じてデバイス上のドライバーを最後に正常動作していたバージョンへ置き換えるという。ただし、代替となる「Shiproom承認済みドライバー」が存在しない場合は、CIDRによるロールバックは実施されない。

問題ドライバーが特定されると、マイクロソフトはユーザーやデバイスメーカーの介入なしに、欠陥ドライバーを自動的に置き換える回復アクションを開始できる。結果として、正常性が確認されている旧バージョンへ戻される仕組みだ。

この機能は、Windows 11に対するユーザー不満を受けた改善施策の一環とみられる。マイクロソフトは2026年を通じて、「強制再起動」の改善やスタートメニュー刷新、アプリ起動時などの“もっさり感”軽減など、日常利用時のストレス削減を進める方針を打ち出している。

ブログによると、CIDRは2026年5月から8月にかけてテストが実施される予定だ。マイクロソフトは2026年9月から、「拒否されたドライバー(Shiproomが問題ありと判断したもの)」のロールバック開始を目指している。

これまでは、不具合を含むドライバーが配信された場合、ベンダー側が修正版を公開するまで待つか、ユーザー自身がデバイスマネージャーなどから手動でアンインストールする必要があった。その結果、問題がある古いドライバーが長期間放置されるケースも少なくなかったとみられる。

CIDRによって、少なくとも一部ケースでは、ユーザーが原因ドライバーを特定して手動削除する負担から解放される可能性がある。ただし実際に機能するのは、「Shiproomが問題ありと認定し、なおかつ代替可能な承認済みドライバーが存在する場合」に限られる。そのため、実運用でどこまで有効に機能するかは、正式導入後の状況を見極める必要がありそうだ。

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