どちらかというと、エンジンに車輪が付いています

フェラーリV8エンジン搭載のワンオフバイク、785万円超で落札される

Munenori Taniguchi

Image:Shaik Ridzwan, Hazan Motorworks

ハース・モト・ミュージアムやピーターセン自動車博物館に収蔵される作品を制作してきた著名カスタムバイクビルダー、マックス・ハザン氏は最近、フェラーリV8エンジンを搭載するバイク「HF355」を完成させた。そしてそのバイクはすぐさま、50万ドルを超える価格で落札された。

ロサンゼルスを拠点とするハザン氏は、eBayでバーミンガム・スモール・アームズ(BSA)のバイクを探していたところ、1999年型フェラーリF355が搭載していた3.5リッターV8エンジンが出品されているのを発見した。そのエンジンが気になったハザン氏は、翌日にアナハイムの出品者のもとへ現物を見に行き、思っていたよりもコンパクトであったことからバイクへの搭載を決めたという。

そして約18か月をかけて完成したHF355は、バイク設計の基本を根本から見直すことにより成り立っている。

Image:Shaik Ridzwan, Hazan Motorworks

約400馬力を発生するフェラーリV8エンジンは、一般的なバイクフレームには搭載が不可能であるため、エンジンそのものをフレームの一部とする、まるで1960年代のF1マシンのようなアイデアを採用した。クロモリ製のフロントトレリスフレームはこのV8エンジンに直接ボルトで固定され、トランスミッションとリアサスペンションはエンジン後部と側面に取り付けられている。

エンジンをそのままフレームとしても使用した結果、HF355のホイールベースは約160cm、前後重量配分は50:50を実現した。

ほぼすべての部品はハザン氏自身によって設計・加工され、組み立てられている。しかも部品加工はCNC機器ではなく、DMG森精機の⁠精密旋盤およびフライス盤を使い、手作業で行われているところも、クラフトマンシップという点で価値あるものとなっている。また、重要な部分には独自のカーボン素材も使用した。

エンジンの冷却系にも独自の設計を用いており、バイク下部にあるV字型のダクトラジエーターを配置し、電動ファンとウォーターポンプの助けを借りて、196平方インチの冷却面に強制的にフレッシュエアを送り込むようにした。

エンジン制御には、AMP EFI MS3Pro ECUが用いられている。このECUはエンジンの様々なデータをリアルタイムで記録・監視することが可能だという。燃料噴射システム、点火マッピング、センサーアレイをゼロから構築したが、エンジンを始動してみるとトラブルなく動作したとのことだ。

ちなみに、エンジンを「積む」というよりも、エンジンに前後タイヤとシート、ハンドルを取り付けたと言っても過言ではないHF355。だが、その乗り味は意外にも「扱いやすい」うえ、エキゾーストノートは「まるでインディカーのよう」だとハザン氏は述べている。

Image:Shaik Ridzwan, Hazan Motorworks

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