ビリビリさせて焙煎度を調べます
おいしいコーヒーを見分ける方法は「電気ショック」という研究結果

コーヒーにはカフェインが含まれており、仕事や勉強中に、その作用のひとつである覚醒効果を期待して習慣的に飲んでいる人も多いことだろう。なかには、コーヒー豆の種類や焙煎方法、淹れ方などによって変わる風味に興味を持ち、日々おいしいコーヒーを求めて研鑽を積んでいる人もいるかもしれない。
多くの人々は、コーヒーの味がおいしいか否かは、実際にそれを飲んで確かめるしかない。オレゴン大学の研究者は、Nature Communications誌に、コーヒーを飲まずとも、そのおいしさを確認する方法を探す研究に取り組み、シンプルな方法で、従来の検査方法より幅広い情報を収集できることがわかったと報告した。
業界では、スペシャルティコーヒー協会(SCA)が、コーヒーを入れる前の水と、コーヒーを淹れた状態、両方の総溶解固形分(TDS)を測定して「理想的な」コーヒーを作るための規格を定めている。ただ、TDSでわかるのはコーヒーの屈折率から濃度を知ることだけだ(同様の手法は、ワイン醸造や他の業界でも用いられている)。しかし、濃さだけではコーヒーの風味を捉えることはできず、深煎りと浅煎りの違いなどは見分けられない。
オレゴン大学の研究者たちは、コーヒーの風味を一杯ごとに一定に保つには、驚くほど多くの努力が必要だと述べている。
しかし、彼らはコーヒーにある処理を加えることで、その風味をプロファイリングすることに成功した。その方法は、平たく言えば「電気ショック」だ。
研究チームは、Nature Communicationsに発表した論文で、溶液に電圧を印加することで、その中の分析物または電極に吸着した分子の電気化学的特性を研究したり、電気化学セル内の触媒の電気化学的表面積を定量化したりするサイクリックボルタンメトリーと呼ばれる手法を利用したと述べている。
研究チームが開発したサイクリックボルタンメトリー法では、淹れたてのコーヒーを直接検査することで、濃さと焙煎色の両方を同時に測定できるという。
実験のために、研究チームはコロンビア・カウカ産のスペシャルティグリーンコーヒー(エル・タンボール)を使用し、50gずつをライトロースト(75.8 Agtron)からダークロースト(55.7 Agtron)まで6段階の焙煎度で自家焙煎した。そして、豆から二酸化炭素を抜くために1週間寝かせた後に挽いて、コーヒーと水道水の比率を1:13.5で淹れた。そしてその後、4分間攪拌せずに放置した。
その後、抽出したサンプルをV60フィルターでドリップして室温で冷まし、白金ディスクを作用極、白金線を対極、そして銀または塩化銀を参照極として構成したポテンショスタットと呼ばれる電気化学測定装置を使って、コーヒーに様々な電圧を印加した。
このとき、流れる電流の量は水に溶け込んだコーヒー成分の量に直接関係する。つまり、焙煎度の高さが異なるサンプルを用いて試験をすれば、焙煎の度合いによって作用極に付着する分子の量が変化し、電流値に差が出るということだ。
従来の屈折率法とは異なり、この電気化学的手法は、総溶解固形分含有量が同じでも浅煎りコーヒーと深煎りコーヒーを区別することを可能とし、より迅速かつ高感度なコーヒー品質評価方法を提供できる。
コーヒー愛好家向けのカフェは、常連客がお気に入りのエスプレッソを毎日同じ味で飲めるよう一貫性を保つために、日頃から多大な努力を払っている。そういった目的に対して、今回の手法を応用したコーヒー風味測定器が作れれば、非常に便利かもしれない。
研究チームは「これがコーヒーショップやコーヒー業界に変化をもたらすことを期待している」と述べている。
- Source: Nature Communications
- via: Refractor CBS19News
