いとうまい子氏が基調講演に登壇
AIはこれから“推論”の時代へ。NEC初のAI PCイベント「AI×PC DAY 2026」開催

NECパーソナルコンピュータは、同社AI PCとパートナー企業のAI技術を紹介するイベント「AI×PC DAY 2026」を東京・虎ノ門で4月24日に開催した。
同社で初めてとなるAI PCの技術展示イベントが実施。展示エリアでは、世界最長約20.1時間のバッテリー持ちを実現した同社AI PC「LAVIEUltraLite タイプVY」をアピールしている。加えて、PC操作の困りごとをAIチャットで解決できる「AI Plus Biz」や個人情報匿名化技術「PS Info Shield」といったソリューション、開発中のAIイヤホン「LAVIE Alca」のデザインモック展示も行われた。


またパートナー企業の展示では、AI PCが搭載するNPUを活用し、ローカルでAIの推論処理を行うソリューションが各種展示。Preferred Networksが開発中の国産AI翻訳サービス「PLaMo翻訳」のローカル実行サンプルや、K-kaleidoのローカル文字起こしソフト「スピーチコネクト」など、多数の企業が出展を行っていた。


開幕に先立って実施された基調講演では、俳優で経営者・研究者・大学教授の肩書きをもつ、いとうまい子氏が登壇。「創造性×AI×生産性」をテーマに講演を行い、AIが高速に処理してくれる時代において、「人が担うべきことは何を問いにするかを決める、どの方向に意味があるかを選んで、最後に責任を持って決める」ことだと説明した。

「AIが進化していくほど、人にしかできない部分がよりはっきり見えるように」なると、いとう氏。これから重要になっていく人間の “創造性” は「日常の視点をどこに持っていくか」だと述べ、小さなことに目を向けるという「好奇心」こそ、スキルが平準化されてしまうAI時代に鍛えるべき求められる能力だと力説した。
また、続いて登壇したNECパーソナルコンピュータの代表取締役 執行役員社長である檜山太郎氏は、これからのAIはデータセンターで行う “学習” ではなく、エッジ側の端末で行う “推論” がトレンドになっていくと説明。同社はデバイスを提供する企業として、AIをインフラとして広げていけるよう、「ユーザーに合わせていろいろなものを選択できるよう」ラインナップ拡充を図りたいとした。

加えて、消費電力の高いAIをエッジ側で扱えるように「できるだけ軽くて持ちやすくてバッテリーの長い」ような魅力的なマシンや、高性能なGPUを搭載するモデルも強化していきたいという。
近年問題視されている部品不足についても「CPU、メモリー、ストレージの価格が上がっている」と檜山氏は触れており、「価格がものすごい勢いで上がっている」「メーカーとしてどう対応していかないといけないか考えていかないといけない」とコメントした。

なお、現在は学習側のデータセンターでメモリ需要が高まっているが、推論が伸び始めており、「2030年までに投資のうち75%」が推論に動く予測とのこと。従来の予想よりも推論への移行が早まっていることから、エッジ側のCPUについても不足していくという。
また、同社はソフトにも力を入れており、すでに日本語特化の汎用モデル、特定タスクの特化モデル、といったローカル言語モデルのPOC(概念実証)を実現している。言語モデル以外のAIでも、チャットでPCの不具合を相談できる「AI Plus Biz」や個人情報匿名化技術を開発しており、今後も「いろいろなものをプリインストールしていきたい」と檜山氏は語る。今後は、デバイスの状態を監視して壊れる前に知らせる仕組みもAIを使って実現したいという。
最後に檜山氏は、デバイスメーカーとして「安心、安全にしっかり寄り添って伴走させていただきたい」と述べ、「いろいろなものを経験されたり、目指されたり、変えていったり、好奇心を持って進められているのに対して、我々はしっかり製品として伴走させていただきたいと思います。そういう会社を目指してまいります」と締めくくった。
