ただしピーク時の株価までは戻らず

ハッカーが貢献? GTAオンラインのボロ稼ぎ判明でTake-Two株価が一時10億ドル増

多根清史

Image:Bangla press/Shutterstock.com

先日、ハッカー集団が人気ゲーム『GTA』シリーズで知られるRockstar Gamesの内部データを盗み出し、約20万ドルの身代金を請求した。最終的にリークは実行されたが、その結果として『GTAオンライン』が高収益を挙げている可能性が浮上し、親会社Take-Twoの株価が急騰する事態になったと報じられている。

ゲーム業界情報サイトInsider Gamingによると、リーク情報には「GTAオンライン単体で週当たり約800万ドル、年間約5億ドルを稼いでいる」ことを示唆する財務データが含まれていたという。同サービスはPS3/Xbox 360時代に開始され、約12年間稼働しているが、いまなお巨大な収益源であることが可視化され、投資家の信頼を高めたとみられる。

Take-Twoの株式は4月13日(現地時間)に201.36ドルで取引を終え、時価総額は372億8000万ドルであった。しかしリーク後、取引開始から1時間以内に207.78ドルまで上昇し、時価総額は384億8000万ドルに達した。すなわち、瞬間的とはいえ10億ドル以上の価値が上乗せされたことになる。その後は205.10ドルまで落ち着いた(時価総額は379億8000万ドル)が、それでも前日と比べれば大幅な上昇である。

結果だけを見れば、ハッカーは身代金を得られなかったばかりか、結果的にTake-Twoの株価を押し上げる一因になったとも解釈できる。ただし、2〜3%程度の値動きにリークの影響を直接結び付けるのは過剰との見方も出ているため、この点は留意が必要である。

なお、『GTAオンライン』の週800万ドルの収益内訳としては、PS5が約450万ドル、次いでXbox Series Xが約180万ドル、PS4が約94万7000ドル、Xbox Oneが約91万8000ドル、そしてPCが約26万4000ドルと伝えられている。

これが事実であれば、「収益の約97%を家庭用ゲーム機から得ている」計算になる。あくまでオンラインサービス単体のデータではあるが、最新作『GTA 6』がまずPS5やXbox Series X|S向けを優先し、PC版が未発表となっている状況も理解しやすい。

もっとも、今回の株価水準は依然としてTake-Twoの過去最高には及ばない。同社の株価は昨年、1株あたり260ドルを超えてピークに達していた。また同社は、GoogleのAIワールド生成ツール「Project Genie」の発表を受けて株価が急落した企業のひとつでもあり、その後も完全には回復していない。

とはいえ、次回作『GTA 6』の登場は目前に迫っており、ゲーム業界史上最大級の作品になるとの期待が市場から寄せられている。今回の株価上昇も、そうした期待が下支えした側面があると考えられる。

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