アップルとSpaceXとの協議は物別れか

アップルとAmazonが衛星通信で提携。Globalstar買収でiPhoneの衛星機能を継続・拡張へ

多根清史

Image:viewimage/Shutterstock.com

米Amazonと衛星通信企業Globalstarは、合併(実質買収)契約を締結し、自社のLEO(低軌道)衛星ネットワーク「Amazon Leo」に統合する計画を正式に発表した。同時に、アップルとAmazonも正式契約を結び、AmazonがiPhoneおよびApple Watch向けの衛星サービス提供を引き継ぐことが明らかとなった。

このアップルとAmazonの契約には、緊急SOS、衛星経由のメッセージ、「探す」、および衛星経由のロードサービス要請が含まれる。

Amazonは、GlobalstarのLEO衛星を利用するiPhoneおよびApple Watchの各モデルについて、引き続きサポートを継続すると述べた。また、拡張されたLEOネットワーク上で動作する将来の衛星サービスについても、アップルと協力していく方針を示している。

アップルのワールドワイド製品マーケティング担当副社長のグレッグ・ジョズウィアック氏は、「アップルとAmazonは、Amazonの中核インフラサービスを通じて長年にわたり実績のある協力関係を築いてきた。今回のAmazon Leoにより、その協力関係をさらに発展させることを楽しみにしている」と述べている。

さらに同氏は、「これにより、ユーザーはこれまで依存してきた重要な衛星機能、すなわち緊急SOS、メッセージ、探す、ロードサイドアシスタンスへのアクセスを引き続き確保できる。圏外の状況でも安全を保ち、接続を維持できる」と説明している。

この買収は約115億7000万ドル規模とされ、各種規制当局の承認およびGlobalstarによる特定の衛星展開マイルストーンの達成を条件として、2027年に完了する見込みである。

Bloombergは昨年10月、Globalstarが売却を模索しており、SpaceXと初期段階の協議を行っていると報じていた。その後、今月初めにはAmazonによる買収が浮上したものの、アップルが保有するGlobalstarの20%の持分が交渉上の障害となっていたとされる。

今年初めには、アップルがSpaceXと、iPhone 18 ProモデルにStarlinkのDTC機能を統合する協議を行っているとの報道もあった。これまで両社は複数回接近していると見られているが、今回も合意には至らなかったようだ。

アップルは、iPhone向けに新たな衛星通信機能の開発を進めており、その実現にはGlobalstarのインフラのアップグレードが必要になる見通しである。具体的には、衛星経由のApple Maps(地図アプリ)、衛星経由メッセージでの写真送信、屋内環境での利用、衛星通信による5G拡張、サードパーティ製アプリ向けの衛星APIなどが挙げられる。

関連キーワード: