クアルコムのSnapdragon X Elite系はGPUドライバに難あり

NVIDIAのArm PC向けチップ「N1」基板流出。ゲーミングノートの“本命”登場か

多根清史

Image:Goofish

NVIDIAはMediaTekと共同開発したArmベースのAI PC向けSoC「N1/N1X」の存在を認め、2026年投入を示唆しつつも、まだ公式発表は行っていない。そんななか、中国の転売サイトGoofishに、N1チップ搭載と主張するノートPC用マザーボードが、約9,999元(約23万円)で写真付き出品として現れた。なお、すでに入札は終了している。

画像には小型のマザーボードが写っている。13インチ級タブレット向け、あるいはファン用の大きな開口部を備えていることから、14インチノートPC向けである可能性が高いとみられる。

N1チップは右側に確認でき、基板上で最も大きな部品として配置されている。その周囲にはSK hynix製のLPDDR5Xメモリチップが8個並び、容量は最大128GB、動作速度は8,533MT/sに達するとみられる。電源回路には8+6+2フェーズの堅牢なVRMが採用されており、消費電力は相応に高くなることが示唆される。

そのほか基板上には、HDMI、USB Type-A、USB-C、3.5mmオーディオジャックが一方の側面に集中し、反対側にはポートが存在しない構成となっている。ストレージ用として2240サイズ対応のM.2スロットが2基確認でき、右下にはWi-FiおよびBluetooth向けとみられるシールド付きアンテナも備えられている。全体として非常に高密度な設計であり、初期の試作機というよりも量産直前に近いレイアウトに見える。

「個人向けAIスパコン」ことDGX Spark向けの「GB10 Superchip」がN1シリコンベースであることは、すでにジェンスン・ファンCEO自身が言及している。報道によれば、CPU設計はMediaTekが担当し、GPUおよびソフトウェアはNVIDIAが担う構成とされている。

このN1/N1Xチップが注目される最大の理由は、「Windows on Arm」を再活性化させる可能性を持つ点にある。QualcommのSnapdragon X EliteファミリーはGPUドライバやソフトウェアの成熟度がボトルネックとなり、グラフィック性能やゲーム性能を十分に引き出せていないと指摘されている。そうした状況の中で、NVIDIAが参入する余地は大きい。実際、昨年半ばにはRTX 4070に匹敵する性能を持つ「ゲーミングノート向け」チップになるとの報道も出ていた。

さらにNVIDIAにとっては、Tegra X1(Shield TV搭載)以来となるコンシューマ向けCPUであり、事実上のCPU市場への再参入という意味合いも持つ。

Goofishの出品情報によれば、このマザーボードを採用したデバイスは「今年後半」に登場予定とされ、「コンシューマ向けAI PC」として位置づけられている。これは、N1/N1Xが2026年第1四半期に投入され、第2四半期にバリエーションが追加されるとするDigiTimesの報道ともおおむね一致する内容である。

また、この基板は「Nvidia N1 AIブックのエンジニアリングサンプル」と記され、「タブレットコンピュータ向けに使用されるべき」とも説明されている。この記述から、従来型のノートPCにとどまらず、2-in-1のハイブリッドデバイスも視野に入れた設計であることがうかがえる。

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