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ノイズキャンセルを貫通して聞こえる自転車ベル「DuoBell」、シュコダが開発

Munenori Taniguchi

Image:Škoda

チェコの自動車メーカー、シュコダが、画期的な自転車用ベル「Škoda DuoBell」を発表した。

その自転車用警音器は、最近増えているアクティブノイズキャンセリング(ANC)搭載のヘッドホンやイヤホンを装着した歩行者にも聞こえるように、科学者との協力によって開発されている。

Image:Škoda

通勤や通学時に、ANC機能搭載のヘッドホンやイヤホンを使用している人は、交差点や狭い路地などで自転車や自動車の接近に気づかず、ヒヤリとした覚えが一度や二度はあるのではないだろうか。英ロンドンでは、いまや歩行者の半数近くがこうしたヘッドホンを装着しているとシュコダは述べている。

ANCヘッドホンには外音取り入れモードが搭載されていることも多いため、それを使用していれば良いのだが、うっかり切替え忘れたり、音楽や音声コンテンツに集中したいために、常にANCを使用している人もいるかもしれない。

シュコダは、ANCが従来の自転車ベルの可聴性にどのような影響を与えるかを調査し、その結果をもとに、都市交通の安全性の向上に貢献することを目的として、開発された解決策が、DuoBellだ。

Image:Škoda

DuoBellは完全にアナログな製品だが、ANCの仕組みを解析してその特性上の穴を突くように設計された。このベルは、通常の高い音に加えて、ANCを用いても音が透過しやすい750~780Hz帯の音が出るように設計されており、さらにベルを打つハンマーが高速かつ不規則な打撃を行うことで、ANCアルゴリズムが処理しきれないほどの音を連続発生、ノイズキャンセリングフィルターを「貫通」する。

Image:Škoda

試作器によるテストでは、ANCヘッドホンを装着した歩行者は、最大22m離れた位置からでもDuoBellの音に反応した。接近時間にすると、約5秒前から歩行者は反応、双方が回避行動を取るための時間的余裕が拡大された。

また、2月にはロンドンで食品配送代行サービスDeliverooの配達員と協力して実地試験を実施。DuoBellが高い効果を示したとの評価を得るとともに、配達員の多くがDuoBellの使用継続を希望したという。

シュコダは、このベルを販売する計画については述べていない。ただ、研究結果は無償で公開しており、ロンドン中のより多くの自転車にこのベルを取り付けられるよう、パートナー企業と協力しているとしている。

日本では4月1日から自転車の通行に関する取り締まりが強化されたところであり、歩行者とのトラブルを避けるためにも、この製品のような警音器があれば、サイクリストたちはいまより安全に、安心して走行ができるようになるはずだ。

ちなみに、シュコダは現在はフォルクスワーゲングループの傘下企業だが、そのルーツは1895年に設立された自転車メーカーLaurin & Klementを起点とする。今回の自転車ベル開発は、ある意味で原点回帰と言えるかもしれない。

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