推定153億ドル(約2兆円)

アップル、2021年のゲーム収益がマイクロソフトや任天堂を超えたとの推計

Image:Apple

アップルは、App Storeのゲームアプリから莫大な収益を上げていると推測されている。実際に2021年のゲーム収益はソニーに次ぐ3位(全世界の上場企業を対象)で、マイクロソフトや任天堂を上回ったとのアナリスト分析が報じられている。

オランダのゲーム市場調査会社Newzooのアナリストによると、アップルは2021年を通して推定153億ドル(約2兆円)のゲーム収益を上げ、前年比17.7%増と推定されるという。

ゲーム収益のトップとされるのは、『League of Legends』や『PUBG Mobile』などのモバイルゲームを擁する中国企業テンセントだ。同社の322億ドル(前年比9.9%増)に続き、2位のソニーは182億ドル(前年比2.3%減)となっている。Googleは5位で、任天堂は8位だ。

アップルは独自の定額ゲームサービスApple Arcadeをもっているものの、ゲーム収益の大部分を、App Storeにあるサードパーティー製から得ていることは間違いないだろう。同社とGoogleはともに、自社プラットフォーム上の有料アプリやアプリ内課金から15%~30%の手数料を徴収している。


この報告書では、MSやソニー、任天堂といったゲーム専用ハードウェアを軸とした企業は期待ほど伸びなかったと指摘されている。新型コロナ禍によるサプライチェーンへの圧力が、3社とも足かせになったようだ。

その一方で、大規模な(ゲーム関連企業の)合併がすべて実現すれば、2022年の展開に影響を与え得るとも述べられている。ソニーは最近『Destiny』の開発元であるバンジーを買収し、マイクロソフトはアクティビジョン・ブリザードを買収している。

また、MSのゲーム事業が健全な成長(ソニーの2.3%減や任天堂の1.9%増に対して)を遂げたのは定額制ゲームサービス「Xbox Game Pass」が貢献したとも述べられている。公式発表で2500万人を超えた同サービスの成功に触発され、ソニーや任天堂がPS PlusやNintendo Switch Onlineを継続的に強化しているのは驚くことではない、というわけだ。

アップルがゲームから得ている収益が大手ゲーム会社を上回るのは、今回が初めてではない。2019年にも、同社が任天堂やMS、アクティビジョン=ブリザード、ソニーの合計よりも多くの収益をゲームから上げているとの推計が報じられていた

今年3月、アップルは「リーダー」アプリ内での外部リンクを認め、事実上、App Store手数料を回避することをようやく許可した。しかし、「リーダー」とは「雑誌、新聞、書籍、音声、音楽、動画などのデジタルコンテンツの提供を主な目的としたアプリ」に限られ、要するにゲームは含まれていない。最大のドル箱を手放すつもりはなさそうだ。

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