大阪や東京でも被害報告アリ

Android 16にニセ基地局対策を搭載。Pixel 10世代から利用可能に

多根清史

Image:Google

Android 16では「偽基地局(Stingray)」によるスパイ行為や監視からユーザーを守るための新たなセキュリティ機能が導入されることが明らかとなった。

ここでいう偽基地局とは、正規の携帯電話基地局を装った不正な装置であり、スマートフォンなどを騙して自分に接続させ、通信内容の傍受や個人情報の窃取を行うものだ。強い電波を発信し、近くのスマホを自動的に接続させ、端末の識別子を取得したり、SMSの内容を盗み取る手口である。

さらに2Gなど古い通信方式に切り替えさせ、暗号化されていない通信を傍受するケースもある。米国の移民・関税執行局や税関・国境警備局などが使用していると伝えられているが、近年では犯罪グループや個人による悪用が世界的に増加しており、日本国内でも被害が急増している。

Android情報サイトAndroid Authorityによると、Android 16では「ネットワーク通知」をオンにすることで、暗号化されていないネットワークへの接続や、ネットワークから識別子が要求された際に警告を受け取れるという。

さらに「2Gネットワーク保護」機能を有効にすることで、こうした安全性の低い2Gネットワークへの接続も防げるとのことである。

もっとも、これらの機能は今後Android 16と同時に登場する「Pixel 10」など新端末のみで利用可能になる見通しだ。これは、現行のAndroid端末では必要なモデムのハードウェア要件を満たしていないためである。

ちなみに2Gの脆弱性対策は以前から一部端末に搭載されていたが、Android 16ではUIが刷新され、説明なども分かりやすくなっている

なお、東京や大阪でも偽基地局が「クレジットカードが使えなくなった」という偽の通知を送り、URLに誘導して情報を盗み取ろうとするケースが報告されている。ともあれ、怪しげなSMSを不用意に読んだり、URLを踏んだりしないよう十分に注意したいところである。

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