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イーロン・マスク、DOGEから退く。政府特別職員130日の雇用期限のため

イーロン・マスク氏が、自身が所有するSNSであるXへの投稿で、トランプ政権から離れることを明らかにし、政府効率化省(通称DOGE)の活動を支援する役割を与えられたことに感謝した。
英BBCは、ホワイトハウスが水曜日の夜に、マスク氏に与えた特別政府職員としての雇用契約を解除する手続きを開始したと報じた。米国では特別政府職員は年間130日までの期間、政府のための職務に就くことができる。つまり、1月20日からDOGEを率いてきたマスク氏は、遅くとも5月末ごろには契約の終了日が来ることになる。
マスク氏は「政府特別職員としての任期が終わりに近づく中、無駄な支出を削減する機会を与えてくださったトランプ大統領に感謝する」と述べた。
米CBSによると、ホワイトハウスのある高官は「マスク氏は良好な関係で退任し、今も大統領と友人関係にある」とし、「これはお別れではなく、マスク氏が民間企業に復帰したというだけのことだ。彼は今後も大統領の友人であり続けるだろうし、それは『アドバイザー』と呼ばれる物になるだろう」と述べた。
今後、マスク氏は閣議に参加することはなくなるが、将来的には再び参加する可能性はあると政府内の人物が述べた、とCBSは伝えた。
マスク氏が権力を握っていたと考えられるDOGEの舵取り役を、今後は誰が務めるのかは発表されていない。ホワイトハウスの報道官キャロライン・リービット氏は、大統領本人を含む政権内の他のだれかが、DOGEの計画実施に責任を負うことになるだろうと述べ、その意味では「DOGEのリーダーは大統領閣僚全員と、政府からの無駄遣い、詐欺、権力乱用を削減することに全力を尽くしている大統領自身だ」と語った。
なお、表面上は円満退社のように見えるDOGEからのマスク氏の離脱だが、マスク氏とトランプ大統領の関係にはややほころびも見られるようだ。マスク氏のDOGEチームは、あらゆる連邦政府機関で人員削減を押し進め、数十億ドル規模の政府契約を解除してきた。しかし、DOGEが報告した支出削減額の一部には誤りが見つかっている。
さらに、むりやり断行された人員削減のせいで、一部の政府機関では業務遂行に支障が生じて生産性が低下、さらに職員の休職や再雇用といった無駄なコストが膨らんだ結果、DOGEが削減したと主張する約1500億~1700億ドルに対して、政府全体で1350億ドルの損失が生じる可能性があると言われている。Bloombergは木曜日、トランプ大統領が1月に就任して以来、連邦政府支出が2024年の同時期と比較して8.7%増加したと伝えた。
また、米議会下院が先週可決した、トランプ氏が強く支持する米国予算案に対して、マスク氏は「率直に言って、この巨額の支出法案は財政赤字を減らすどころか増やし、DOGEチームの取り組みを台無しにしており、失望した」と、今週火曜日に述べていた。
Reutersによると、この発言はトランプ大統領の次席補佐官スティーブン・ミラー氏をはじめとする、複数の政府高官を怒らせたとされる。さらに「マスク氏は辞任を発表する前にトランプ大統領と正式な話し合いを行っていなかった」とも伝えている。
マスク氏に関しては、テスラの投資家らが、DOGEばかり必死にやらずに「週40時間は会社で働くべき」とする公開書簡を送付している。
- Source: CBS
- via: Ars Technica