思ったより速い

雪の野山を難なく走行!ジェネシス、山岳救助EVコンセプト「GV60 MIV」を公開

Image:Genesis

韓国の自動車メーカー、ヒョンデの高級車ブランドであるジェネシスは、スイスのダボスで開催された世界経済フォーラム(WEF)で、コンセプトEV「GV60 MIV」を発表した。MIVはMountain Intervention Vehicleの略で、日本語にすると山岳遭難救助車の意味だ。

GV60は2021年に発売されたジェネシスのSUVで、ブランド初・唯一の電気自動車。今月6日にはマイナーチェンジにより外観だけでなく、性能面や搭載するインフォテインメントなどのアップデートを発表したばかり。

そのGV60が、こんどは山岳救助車両としての改造を受けて登場した。コンセプトカーということなので、このままどこかのスキー場などに導入されるわけではないものの、4本のタイヤを置き換え、フェンダーから大きく張り出したクローラーとカーボン製のホイールアークエクステンションがそのスポーティな外観に迫力を追加している。

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発表とともに公開された動画では、GV60 MIVが雪の積もった野山を結構な速度で駆け抜ける様子が収録されている。また、トランクスペースには要救助者を捜索するためのドローンや、緊急通信・警報システム、医療用品を搭載。物資を積載するためのルーフラックも備えている。さらに、電波状況の良くない山岳地域で使われるため、データ接続がなくとも地図情報を表示可能なGarminのGPS Map 276Cxの専用モデルも用意している。

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GV60 MIVのパワートレインは最大429馬力を発生し、満充電状態からの航続距離は最大473kmに達する。電動であるため、騒音や排気ガスによる環境への負荷は最小限となっている。

ジェネシスは、このコンセプトモデルが1970年代に製造された小型ユニット支援車(SUSV)Bandvagn 206(Bv.206)やその後継車両であるBvS10にインスパイアされたと説明している(デザイン的には似ても似つかないが)。

ちなみに、GV60 MIVと似た山岳救助用コンセプトカーとしては、ちょうど1年程前に日産がやはり同社のSUV「エクストレイル」を山岳救助用に改造した「X-Trail Mountain Rescue」を発表している。また2022年にはフォルクスワーゲンのType 2バンを雪上車に改造した車両がレストアされていた。

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