伝統に縛られない音楽を創造できるかも
演奏中にピックアップ高や位置を自在に変えられる変態エレキギター「Verso Sine」
特殊なデザインおよび可動式ピックアップという、伝統にとらわれない独創的なエレキギターおよびエレキベースを製作するVersoは、演奏中にピックアップの高さを変えられるエレキギター「Sine」を発表した。
最近のエレキギター界隈は、大きく進歩したアンプシミュレーターなどにより、たくさんの機材を揃えたり配線したりする手間を省略しつつ、多彩な音色を扱うことが可能になっている。
これに対し、Versoが開発したSineギターは、ボディ上面に、片持ち梁のように支持された弾力あるパッドにピックアップを装備しており、奏者がこのパッドを押し下げることでピックアップと弦の感覚を変え、サウンドにフェードイン / フェードアウトのような効果を付与することが可能になっている。また、パッドの押し下げ~リリースを小刻みに行えば、トレモロのような効果も生み出せる。なお、金属でできたパッドはそれ自体の弾力で動くため、裏側にバネなどは装備していない。
また、ピックアップはパッドの押し下げによって弦の距離を変更するだけでなく、ピックアップ自体を水平方向にスライド移動させて音色に変化を付けることも可能だ。
さらにオプションで提供される、独Lehleとの共同開発になるエクスプレッション(ホールセンサーモジュール)出力を使うと、2つまでのペダルまたは電子楽器の制御が可能になるほか、USB経由でのDAWへの入力、電圧コントロールによるアナログシンセへの入力や内蔵リレーを使ったアンプ・ペダルのスイッチングなどが可能になるとのこと。
エレキギターとしては、ボディはアッシュ材で形作られ、そこに25.6インチ・スケールのCシェイプ・ネックが接着されている。ネックの材質はアッシュ、メイプル、チェリー、オーク、ウォルナットから選択でき、弦の本数は標準の6弦と、7弦が選択可能だ。マスターボリュームとトーン / ブレンドのノブは木製で、ボディ上部のエッジ部に装備されている。出力ジャックは背面に、モノラル / ステレオ切り替えスイッチおよびピックアップ入力とともに配置されている。
Verso Sineは現在、同社のウェブページで2,970ユーロ(約47万7,000円)で予約できる。2025年のオーダーは締め切られてしまったが、2026年分のオーダーはまだ受け付けているとのことだ。
- Source: Verso
- via: designboom