Claude AIとAmazon Novaを使う予定
Amazon、AI生成版Alexaの提供を2025年中頃に延期か。幻覚やレスポンスを修正中
米Amazonは音声アシスタントサービス「Alexa」に生成AIを搭載したリニューアル版を開発中だと表明済みであり、有料で提供するとも示唆していた。だが、それから数か月後の今なお、同社が新サービスを提供する動きはまるでない。
英The Financial Timesの新たな記事によると、Amazonは昨年10月に生成AI版Alexaを発売する計画を立てていたものの、今年中頃まで延期したとのことだ。
今回の報道によると、同社はより強力なAlexaを投入する以前に、まだ「いくつかの技術的なハードル」を克服する必要があるという。解決すべき問題の1つは、いわゆる「幻覚」だ。生成AIが存在しない事実を答えたり、虚偽の情報を提供するというものだ。
AmazonのAGI(汎用人工知能)チームリーダーのRohit Prasad氏は、幻覚は「限りなくゼロに近い」ものでなければならないと語る。特にAlexaは、ユーザーが1日中使う傾向があるため、この問題を解決しなければ、数多くの虚偽情報を吐き出す結果を招きかねない
Prasad氏は、幻覚が「業界では依然として未解決の問題」だと認めながらも、自らのチームは「その問題にとても懸命に取り組んでいる」という。また、ユーザーはアシスタントに質問をしたり、タスクの実行を依頼したりした後、すぐに回答やレスポンスが得られることを期待しているため、Alexaの応答速度や待ち時間についても改善を重ねているようだ。
さらに同氏は、Alexaをラストマイル(最終的に顧客に届ける)まで到達させるのは本当に難しいと語っている。課題のハードルを上げているのは、Alexaに統合されているサービスの数とのこと。「時に過小評価しがちだが、その数は膨大」だという。新生アシスタントも、旧Alexaと同じく数百のサードパーティ製アプリやサービスと連携できるようにしなければならない。
新しいAlexaには、AnthropicのClaude AIとAmazon Novaの社内モデルを搭載する予定とのこと。同社が収益を上げるため、有料サービスになる方針は変わらないようだ。Alexaデバイス事業は赤字を垂れ流し続けており、黒字に転換するため月額5~10ドルを社内で検討しているとの報道もあった。
しかし、現時点では確かなリリース日は決まっておらず、すぐに提供されることはないようだ。ほか、Amazon社内ではやるべきことが多くあり、たとえば「100%に近い時間」に確実に動作すること、子供向けの安全フィルターの追加、Alexaのさまざまな統合テストなどが山積みだと語られている。
- Source: The Financial Times
- via: Engadget