登山家や冒険家にとっては命綱に
「Apple Watch Ultra 3」、衛星経由でテキストメッセージが送れる可能性
次世代の「Apple Watch Ultra 3」は衛星通信機能を備える予定だと、米Bloombergが報じている。アップルは「iPhone 14」シリーズで通常の電波が届かない場所での衛星通信機能を導入し、iPhone 15と16にも採用しているが、これまでApple Watchには搭載してこなかった。
アップルの内部情報に詳しいMark Gurman記者によると、2025年発売のApple Watch Ultra 3は衛星ネットワークに接続でき、携帯電話やWi-Fiの電波がない場合でもテキストメッセージが送信可能になるという。
ちなみにiPhoneの衛星通信は当初、緊急のテキストメッセージ(あて先は緊急通報サービス等に限られる)に限られていたが、iOS 18以降では誰にでもメッセージが送れるようになっている。
「Apple Watch」シリーズのなかでも、特にUltraモデルは登山家やスキューバダイバー、冒険家などをターゲットとしている。このデバイスに衛星接続機能が搭載されれば、高所や深海、山の奥深くなど、電波が届きにくい場所での活動でも安心を提供できるだろう。
アップルはiPhoneの衛星通信を「アクティベーション後、2年間無料」としつつ、2年が経過したiPhone 14シリーズでは1年延長しており、今のところ一切の料金を請求していない。今後、どのような利用料金を課す予定かは不明だが、Apple Watch Ultraでも最低2年は無料で使える可能性が高そうだ。
また、アップルは一部のApple Watchでインテル製のセルラーモデム採用を止め、MediaTek製に移行する予定だという。これにより、5Gの高速データ接続が必要ないIoT機器やウェアラブル向けの「5G Redcap」サポートが追加されるとのことだ。この規格は速度と引き換えに低消費電力の通信ができ、バッテリー持続時間を延ばせる。
アップルは数年前からiPhoneを5Gに対応させながら、Apple Watchのセルラーモデルは依然としてLTE(4G)止まりである。最新のApple Watch Series 10ではマイクやスピーカーが改良され、単体で通話しやすくなっているが、通信品質も改善されるのかもしれない。