新機能「Focusモード」もアピール

I-O DATAのゲーミングモニター「GigaCrysta」10周年。購入しやすく大満足の製品を目指す

編集部:平山洸太

10周年記念イベントが開催

I-O DATAのゲーミングモニターブランド「GigaCrysta(ギガクリスタ)」が、2024年10月15日で誕生から10周年を迎えた。これを記念し、都内で報道陣向けに10周年記念イベントが実施。これまでの経緯と今後の抱負が語られた。

同社が液晶ディスプレイの製品化を開始したのは1997年で、今年で28年になる。そしてGigaCrystaが登場したのが、ちょうど10年前にあたる2014年10月15日だ。

歴代のGigaCrystaモニター

同社GigaCrystaブランドマネージャーの山形誓氏は、GigaCrystaの特徴のひとつである超解像技術「ギガクリア・エンジンII」について、もともと「映像をよりきれいに映し出すエンジン」と位置づけていたと話す。動画や映像を見たりするニーズを想定する、エンターテインメントを楽しむ製品の側面が強かったそうだ。

右がGigaCrystaブランドマネージャーの山形誓氏、左はゲストで登壇した父ノ背中のメンバー あびつん氏

現在のGigaCrystaシリーズの上位モデルでは、リモコンが付属するのも大きなアピールポイントとなっている。このリモコンも、もとはエンタメを楽しむうえで、ユーザーからの要望を汲み取って採用したもの。それが今日まで継承され好評を得ていることから、「(当時リモコンへの要望の)声をたくさん頂いて良かったと思っている」と山形氏は話した。

そういった流れの中で、「きれいな画質で見えるモニターはRPGに最適じゃないか」と提案したことで、GigaCrystaの企画が実現。2014年に第1弾の「LCD-RDT241XPB」を投入、2018年にはトレンドであったe-Sportsの流れに乗ってFPS向けモデルを投入するなど、製品の幅を広げてきた。

初代「GigaCrysta」の基板

なお山形氏は思い出深い出来事として、2018年にSNS上でバズったというハッシュタグ「#どうあがいてもアイオーデータ」に言及。これをきっかけにFPS向けモニターを多く企画することになったそうだ。

このハッシュタグを付けてSNS上に最初に投稿したのが、プロゲーミングストリーマー集団 父ノ背中の代表である、てるしゃん氏。本イベントには北海道よりオンラインで参加し、このハッシュタグを考えた経緯として、良いモニターを探していた際、当時高級だった240Hz対応モニターが、GigaCrystaでは安価かつ高スペックで展開されていたのがきっかけとのこと。メンバー内で共有するだけでなく「広げようとみんなで考えたのがこのハッシュタグ」だそうだ。

てるしゃん氏

I-O DATAは、その翌年となる2019年に父ノ背中とスポンサー契約を締結。メンバーの推奨設定を搭載した、モニターのコラボモデルも製品化して投入している。

てるしゃん氏は、GigaCrystaシリーズの魅力のひとつとして、メニューの設定項目に解説が書いてあることを紹介。設定を変えるとどう変化するかも画面上で説明されているため、初心者でも「自分なりのモニターの見やすさを追求できる」と称賛した。

わかりやすさを追求したメニュー画面

GigaCrystaシリーズではユーザビリティを重要視しており、上述したリモコンの付属や、メニュー項目の解説もその一環とのこと。そして次に提供できるGigaCrystaシリーズの価値として、新たに「Focusモード」を開発したという。

Focusモードとは、27インチのモニターであっても表示を縮小させることで、FPSゲーム等で最適とされる24インチの表示を行えるという機能。さらに、縮小で生まれた空白部分にパターンを表示させる「Focus Image」によって、ゲーム中の集中力を高めることが可能だという。

Focusモード

開発に携わった明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科 専任教授 中村聡史氏によると、Focus Imageには人間の周辺視野の働きが活用されている。作業をしていると中心視野しか大体見ていないが、周辺に錯視を入れることでより映像がより傾いて見えたり、より大きく見せたりといった印象を与えられるという。

明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科 専任教授 中村聡史氏

また中村教授によると、人間は集中すると周囲が見えなくなる(=ノイズが無くなって周囲しか見えなくなる)が、逆にノイズを出すことで集中をうながせることが実験から判明したといい、この考えをモニターの新機能に活用しているそうだ。

あえて周辺にノイズを入れることで集中力を高められるという

山形氏は、GigaCrystaシリーズで大切していることは“すべてのGigaCrystaユーザーに感謝の還元を”だと話す。これからのものづくりやサービスにおいて、「思わず欲しくなる製品を手に取りやすい価格で提供して、大満足していただけるような製品を作っていきたい」とし、これからの10年も「ゲーミングブランドとして走り続けます」と意気込んだ。

そのほかイベントでは、新たな展開もアナウンス。モーニングで連載中のeスポーツ漫画『マタギガンナー』とのコラボキャンペーンの実施決定、格闘プロゲーマーのMOV選手との新規スポンサード契約の発表、オフライン大会「京王 Presents JCG STREET FIGHTER 6 CAPCOM Pro Tour 2024 SUPER PREMIER JAPAN」において公式モニターとして200台のGigaCrystaの提供、東京ゲームショウで展示したホワイトモデルの正式発売決定が案内された。

オフライン大会の公式モニターとして協賛

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