Recallもようやく展開スタート

Microsoft「Copilot」に多くの機能追加。スマホAIと音声で会話、ペイントにマジック消しゴム

Image:Mojahid Mottakin/Shutterstock

マイクロソフトは10月1日(現地時間)、AIアシスタント「Copilot」および次世代AI PC「Copilot+ PC」に多数の機能を追加すると発表した。

前者はスマートフォン用のCopilotアプリとMicrosoft Edgeブラウザー上で使えるものであり、後者はCopilot+ PCの要件を満たすハードウェアでのWindows 11環境を指している。

まず「Copilot Voice」は、GoogleのGemini Liveと同様に、ユーザーが音声でAIとやり取りできるモバイル端末向けの機能だ。一般的なAIアシスタントというイメージに、最も近いだろう。

「Copilot Daily」は、「Voice」と同じ音声でニュースや天気の概要を読み上げ、「認定コンテンツソース」から情報を取得する。「Personalized Discove(パーソナライズされた発見)」は、Copilotにどう使ったらいいか分からないユーザーに、使うきっかけを与えるガイドである。

「Copilot Vision」はコンピューター画面上に表示されているものを理解し、質問に答えることができる。テキストや画像も含めて認識しており、家具をクリックすれば新居向け家具や適切な色の検索、アレンジする方法までも提案が可能だという。

かたやCopilot+ PCとWindows 11では、5つの新機能を発表した。そのうちの1つが、一度は配信が見送られた「Recall」の展開スタートだ。この機能はCopilot+PCの目玉機能となるはずだったが、セキュリティ研究者から「大惨事を引き起こす」との指摘を受けて取り下げられた。

本来の予定から数ヶ月遅れとなったが、現在では「お客様がデータの安全性とセキュリティが守られると確信できる」対策を講じたとのことだ。その利用はオプトイン(同意ありき)とされ、クレジットカード情報や個人識別番号などの機密性の高いデータには機密情報フィルタが使えるという。

今月からRecallはSnapdragon搭載PC向けに提供が始まり、11月からインテルおよびAMD搭載Copilot+ PCでは利用可能になるという。当初はWindows Insider参加者のみが対象となるが、一般公開の具体的な日程は未定である。

他の4つの機能は、以下の通りである。

クリックして実行

右クリックメニュー内のメニューを、AIにより状況に応じて変更する機能。写真の背景のぼかしやオブジェクトの消去、ペイントによる背景の削除、テキストの書き換え、テキストエディタで開く、電子メールの送信等が例に挙げられている。

Windows検索機能の強化

写真内のコンテンツをAIにより認識し、「バーベキューパーティ」等の探しものを見つけやすくする。Copilot+ PCのNPU処理能力により、ネットに接続していない杜祺でも使えるとのこと。

写真の超解像度

AIにより写真の解像度を向上できる(最大で元の解像度の8倍)。

ペイントでの生成塗りつぶしと消去

Googleのマジック消しゴムのように、写真からオブジェクトを消し、その箇所を塗り潰せる。

これらの機能がいつリリースされるのか、Microsoftは具体的な日にちには触れていない。

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