引き換えられる特典やサービスは不明

Apple Intelligence、ベータ版にフィードバックと引き換えにスコアを稼げるシステム導入

Image:Mamun sheikh K/Shutterstock

アップルは開発者向けiOS 18.1、iPadOS 18.1およびmacOS 15.1にて、独自AI「Apple Intelligence」の一部機能を提供開始した。これらの体験につきユーザーが評価し、それと引き換えにスコアを稼げる「Rate Your Experiences」機能があることが明らかとなった。

米MacRumorsは、フィードバックアシスタントアプリ(意見やバグを報告できるツール)に同機能が追加されたと報告している。そこにあるアップルの説明は以下の通りだ。

アップル製品やサービスの改善に役立てよう!「メール」アプリのEメールや「メッセージ」アプリのメッセージなどのコンテンツは、Apple Intelligence機能のために生成されたコンテンツとともに表示される。このデータは、あなたが体験を評価した後、アップルに提出することを選ばない限り、常にあなたのデバイスに残り続ける

Image:MacRumors

つまり体験の評価についてもオプトイン方式として、同意のない限りはオンデバイス(クラウドと通信しない)の原則をあくまで守るということだろう。

この新機能では、ユーザーは直近のAI生成コンテンツに「親指を立てる」(高評価)か「親指を下げる」(低評価)かを尋ねられ、結果に対する満足度を答える。もしも低評価した場合は、ユーザーはオプションでアップルに提出するための詳細を提供するよう求められる。これは事前に定義されたチェックマークリストから選んだり、追加の入力情報を提供することで行えるとのことだ。

たとえばメールアプリのAI要約の場合は、ユーザーは次の問題点から選ぶことができる:

  • 理解しにくい
  • 重要な詳細を見逃している
  • 属性が間違っている
  • 長すぎる
  • 無関係な追加
  • ステレオタイプまたは偏見
  • 過度に挑発的または性的
  • 下品または攻撃的
  • その他

スマートリプライ(返信のアシスト)、通知の要約、優先メッセージ(最も緊急性の高いeメールを表示)、Image Playground(画像生成)、ライティングツールなど、他のApple Intelligence機能にも同様のフィードバック選択肢があらかじめ用意されている。

さらに新機能にはスコアシステムも含まれており、ユーザーはアップルにフィードバックを提供することでスコアをレベルアップできる。ただし、スコアが何かに活用できるのか、特典やサービスに引き換えられるのかにつき、具体的な情報は一切明かされていない。

アップルが噂通り「x.1」でApple Intelligenceのテストを始めたことからも、今年秋にリリースされる最初の「x.0」バージョンで提供しない可能性は高まった。

同社は生成AIでの遅れを取り戻そうとしながらも、同時に訴訟などのリスクを避けているとみられている、Apple Intelligenceの進捗を開発者や世界にアピールしつつも、一般公開には慎重に慎重を重ねているのかもしれない。

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