ITインフラ担当者は何をしているのだろう

Google、新社屋で“Wi-Fi難民”大量発生。いたるところでWi-Fi通じず

Image:JHVEPhoto/Shutterstock.com

Googleが2022年にオープンした、巨大なウミガメの甲羅のようなデザインの新社屋Bay Viewは、環境に優しく、建築分野における多数のイノベーションを宣伝している。そして、同社の最先端の研究分野である生成AIのチームに、仕事に集中できる環境を提供している。

しかし、Googleの従業員のなかには、この最先端の社屋にまともなWi-Fi環境があれば良かったのにと嘆いている人もいるようだ。Googleに務める従業員たちは、この新社屋では何か月もWi-Fiが使えない状態に悩まされているとReutersに語っている。彼らの多くは、新社屋ではWi-Fiの状態が極端に悪いため、作業を行うために、ノートPCを壁の有線LANコンセントに接続することを余儀なくされているとのことだ。

さらに間の悪いことに、このWi-Fiの問題は、Googleが従業員に週3日以上オフィスで仕事をするよう義務付けているさなかに発生しており、自宅勤務のときは快適なインターネット接続で作業できていた従業員たちに、電波の届く場所または有線接続ができる場所を探す手間を追加させている。あるエンジニアは「世界でもトップクラスのインターネット企業なら、普通はこんな問題はすぐに解決できるはずだ」とReutersに述べた。

しかし、Bay ViewでGoogle Geminiを稼働させるべく、24時間体制で取り組んでいるAIエンジニアらに対し、その管理者はWi-Fiが快適に使える近所のカフェなどに外出して作業することを奨励しているという。また、一部のエンジニアにはWi-Fiの電波出力が高いチップを搭載する新しいノートPCが配布されたとも言われている。

Googleが巨大な亀の甲羅のようなこの新社屋にどれぐらいの資金を投じたのかは明らかでない。同社は2022年に会社全体のオフィスおよびデータセンター建設費用として100億ドル近くを費やしたとされるが、構内Wi-Fiの構築には十分な額が回されなかったようだ。

ちなみにBay Viewのオープン当時、Googleの不動産・職場サービス担当副社長デビッド・ラドクリフ氏はブログ投稿で、キャンパスは「外観の形状よりも建物内の人々の体験を優先してデザインが進められた」と自慢していた。

Googleの広報担当者はWi-Fiの問題があることを認め、すでに「いくつかの改善が行われている」として数週間以内に改善されることを期待していると述べている。

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