その一方でFacebookユーザーは高齢化

Meta、子どもから集めたデータ収益化禁止案の撤回を求めて米FTCを提訴

Image:mundissima/Shutterstock.com

Metaは、子どもから集めたデータを収益化することを禁じる包括規制法案が違憲だとして、米連邦取引委員会(FTC)を連邦地裁に提訴した。

この規制案は、今年5月にFTCが提案したもの。18才未満の子どもから集めた情報を広告などビジネスに活用することの「全面禁止」を謳う厳しい内容であり、Metaは即時撤回を要求している。

FTCは2018年、英ケンブリッジ・アナリティカがMeta(当時はFacebook)ユーザー8700万人分のデータを不正収集したことの発覚を受けて、Metaが行政命令に違反していないか調査を開始。そして2020年には50億ドルの制裁金支払いや、個人情報の保護体制を強化することで和解した。5月の規制案は、Metaが和解案等に違反したとして公表された格好だ。

今回の提訴でMetaは、FTCの行政手続きが「適正手続き条項に違反し、委員会(FTC)が検察官と裁判官を兼ねている」と主張。そして裁判所に対し、これらを違憲だと宣言するよう求めている。

かたやFTC側は、Metaが2020年の和解条件や、児童オンラインプライバシー保護法(COPPA)にも違反していると主張。さらにMetaによる顔認証の使用を制限することや、プライバシー保護義務を遵守しているか第三者が監査するまで、新製品やサービスの完全な一時停止を要求している。

もはやFTCとMetaとの対立は、恒例となっている。以前もMetaがVRフィットネスアプリのSupernaturalを買収しようとした際に、FTCは「将来の技術革新と競争上のライバル関係」を妨げるものとして阻止しようとした(地裁は買収を認め、FTCは上訴せず)。またMetaのVR部門に対する調査を開始し、サードパーティ開発者に事情聴取しているとの報道もあった

ちょうど数日前、Metaは何百万もの13才未満のアカウントを削除せず、情報収集を続けていることが明らかとなっていた。一方でFacebookユーザーの高齢化が進んでいるとの社内データも漏えいしており、プラットフォームの将来を先細りにしないためにも、子どものデータは是が非でも欲しいのかもしれない。

関連キーワード: