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アップルやディズニーなど、「X」の広告一時取りやめ。マスク氏が反ユダヤ思想増長する発言

Image:sdx15/Shutterstock.com

先週、イーロン・マスク氏は自身の所有するX(Twitter)上で、反ユダヤ主義の陰謀論に同意し、ユダヤ人のコミュニティやマスク氏が「反白人」と呼ぶその他のマイノリティたちからのメッセージを一方的に非難した。

一方、メディアの動向を監視する非営利団体のMedia Matters for America(MMFA)は、X上で主流ブランドの広告が、親ナチスの見解を支持するユーザーの投稿と並行して掲載されていたことを示す報告書を発表した。

そして、SNS所有者が差別的な発言を行い、さらに反ユダヤ主義的見解に並べて広告が掲載されているとの報告を受け、アップルやディズニー、ワーナー・ブラザース・ディスカバリー、パラマウント・グローバル、ライオンズゲート・エンターテインメント、Comcast、IBM、NBCユニバーサルといった大手企業は、一斉にXでの広告掲載を(少なくとも)一時的に取りやめることになった。

Xの広報担当者ジョー・ベナロック氏は、MMFAが「Xにサブアカウントを作り、 “センシティブ” なXアカウントを意図的にフォローしてタイムラインに表示される投稿を絞り込み、そこに大手広告主の広告を表示させて印象を操作するような画面配置を作り出して、誤った認識を広告主に与えた」とし、このような人為的なエクスペリエンスはどのソーシャルメディアでも行うことができるし、差別的な投稿に対する広告の表示はMMFAが意図した行ったものだと主張している

X以外のSNS、たとえばFacebookやTikTokなどは、いずれもプラットフォームにおけるブランドの安全と、憎悪を促進する虚偽のコンテンツの管理に取り組んでいる。だがXはむしろ、オーナーのマスク氏が率先して偏見に満ちた視点で、周囲を煽るような発言をたびたび行っている。

たとえば先月には、バージニア州シャーロッツビルで、2021年に撤去された南北戦争時に奴隷制維持を掲げた南軍将軍ロバート・E・リーの銅像が処分されたと報道。将軍の子孫と自称するユーザーが、これを受けて嘆く投稿をしたのに対し、マスク氏は「彼らは絶対にあなた方一族が滅ぶのを願っている」と返信していた。

さらには、ユーザーの「ユダヤ人は、彼らが自分たちに対して使うのをやめてほしいと主張する、まさに弁証法的な憎悪を白人に対して押し付けてきた」とする投稿に、「あなたの言ったことはまさに真実だ」と同意している。

このようなマスク氏の発言については、ホワイトハウスも17日に、マスク氏が「アメリカ人としての核心的価値観に反する」「反ユダヤ主義と人種差別的憎悪の忌まわしい促進」に関与していると苦言を述べた。

こうした流れを経た後の18日夜、マスク氏はXへの投稿で、「メディアの問題と、この不正攻撃に共謀したすべての人々」を告訴し、「月曜日に一瞬の法廷が開かれる」と主張した。そして声明の中でマスク氏は、MMFAの報道は「言論の自由を侵害し、広告主を誤解させる新たな試みとして、Xに関する実際の体験を完全に誤って伝えた」と述べた。

マスク氏がプラットフォームへの変更を批判する人々に対して、強く反応するのはこれが初めてではない。9月にもマスク氏は、反ユダヤ主義に合法的に対処することを目的とする団体である名誉毀損防止同盟(ADL)に対し、訴訟を起こすと脅した。ADLはマスク氏の買収以来、このプラットフォームでヘイトスピーチが増加していること批判してきたが、それがXの広告収入が60%も減少した主な原因だと主張してのことだった。

同様の訴訟は8月にも、非営利のオンライン監視団体であるCenter for Countering Digital Hate(CDH)を相手に起こされている。しかしCDHは先週木曜日、Xの申し立ては「法的な欠陥だらけ」であり言論の自由に対する攻撃に相当するとして、訴訟の却下を裁判所に求めている。

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