企業向け『ChatGPT Enterprise』サービス開始。最大2倍高速、制限無しのGPT-4アクセスも

Image:Tada Images / Shutterstock

OpenAIが、ChatGPTの企業向けサービス「ChatGPT Enterprise」の提供を開始した。このサービスには利用制限なしでのGPT-4へのアクセス、旧バージョン比で最大2倍速い応答速度、APIクレジットなどが含まれる。

OpenAIのブラッド・ライトキャップCOOは、Fortune誌が発表する大企業ランキング、Fortune 500のうち80%以上の企業がChatGPTを積極的に活用していると述べており、ChatGPT Enterpriseによって、企業がより強力なデータ分析を行い、情報をより迅速に理解できるようになるとコメント。また同氏は、自社の業界や用途に合わせてChatGPTをカスタマイズできるところを大きな利点として説明している。なおOpenAIは、企業がカスタマイズなどに使用するデータはGPTの大規模言語モデル(LLM)のトレーニングには一切使用することはないとしている。

ただ、Enterprise版のサービスのすべての機能はまだ提供されておらず、完全にサービスが利用可能になるにはまだ数週間待つ必要がある。なお、OpenAIはより小規模な企業に対して、Enterprise版よりも手頃な「ChatGPT Business」と称するプランの導入も予定しているが、これもいつ頃開始するか、まだわかっていない。

OpenAIは最近、GPT-3.5のカスタマイズチューニングをユーザーに開放した。個人ユーザーならばこれで十分かもしれないが、より新しい情報と高い精度、高いセキュリティ保護が必要になる企業ユーザーにはChatGPT Enterpriseが適している。

多くの企業はChatGPTを利用しつつもデータセキュリティやプライバシーなどに注意を払う必要があり、そういった企業に対して、GPT-4などのLLMアクセスとセキュリティおよびプライバシー保護をセットにして提供するベンダーも登場している。今回開始したChatGPT Enterpriseは、こうした企業と競争することになるだろう。

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