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Twitter、NPRを米国の「国家当局関係メディア」とラベリング。ガイドラインもステルス修正
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米国の非営利メディアNPRが、Twitterに自社のアカウントが”米国国家当局関係メディア “とラベル付けされたと自ら報じ、これを否定する記事を発表した。
このようなラベルは、これまでロシアのRTやSputnik、中国の新華社（Xinhua）といった組織に付与されるものだったが、NPRは米国政府が運営しているわけでもなければ、国のプロパガンダを広めるためのメディアでもない。
NPRのCEO、ジョン・ランシング氏は、TwitterがNPRにラベル付けを行ったことを知り「動揺した」「Twitterが定めたガイドラインにNPRは該当しない」と主張している。
NPRは、もとはNational Public Radioの略称であり、公共ラジオ放送用番組の作成・配布がその本来の業務内容だ。予算は連邦および州政府から一部交付されてはいるものの、その報道の内容は独立性が保たれている。
ランシングCEOは「NPRと加盟局は、われわれが提供する、独立した、事実に基づくジャーナリズムを頼りにしている数多くのリスナーによって支えられている。NPRは、言論の自由と権力者の責任追及を支持しており、Twitterにこのようなレッテルを貼られることは、到底受け入れられるものではない」と声明で述べている。
実は、Twitterのガイドラインのページには、「国家が資金を提供しているものの、編集の独立性を確保しているメディア組織（英国のBBCや米国のNPRなど）については、このポリシーにおいて国家当局関係メディアとは定義されません」との記述があった。しかしWashington PostのBen Pauker氏がこれを指摘したのち、程なくしてTwitterはこのガイドラインをステルス修正、NPRの部分を削除した（BBCの記述は残っている）。
なお、記事執筆時点では日本語のガイドラインページにはいまもNPRが該当しない旨の記載がそのまま残っている。
現在のTwitterのCEOであるイーロン・マスク氏は、変更を支持するユーザーからのツイートに対して、ガイドラインのBBCとNPRの例外を記した部分以外のスクリーンショットをツイートし「合っているように見える」と、少々わざとらしく付け加えた。
なぜTwitterが突然このようなことをし始めたのかといえば、この直前にNPRが発表した「欧州の右翼政治団体が、『エリートが人々に虫（ミルワーム）を食べさせようとしている』という陰謀論を唱えている」とする記事を批判するツイートをマスク氏が見かけたことがきっかけと言えるだろう。マスク氏はこのツイートに対して当初感嘆符”！”とだけ返信するツイートを投稿していた。そしてその直後にNPRに国家当局関係のプロパガンダメディアだとするラベルを付けた、ということだ。
NPRの主張によれば（記事中で記したとおり）、たしかにNPRは国から予算の一部を得ているが、それは全体の1%にも満たないという。過去5会計年度の収益の約70%は、企業スポンサーからのものと、メンバー組織が支払ったプログラム料金によるものだ。
ちなみに、米国政府が所有する国営放送のVoice of Americaのアカウントには、Twitterはラベル付けをしていない。Twitterにはもはや広報部門はなく、メディアの窓口となっていたメールアドレスに質問を送るとウン〇の絵文字を記したメールが自動返信されるようになったと、BBCは先月報じていた。
