FCCへの提出書類から明らかに
アップル、iOSが動く謎の「ネットワークアダプター」を開発中か
アップルが米連邦通信委員会(FCC)に提出した書類から、iOSが動く謎の「ネットワークアダプター」を準備していることが明らかとなった。米国では、BluetoothやWi-Fiなど無線周波数を使う製品を発売する場合はFCCの認可を受ける必要があるため、少なくともアップルが開発していることは事実だろう。
それによれば、2つのギガビットEthernetポート、Wi-Fi、Bluetooth、NFCアンテナに加え、USB-Cポートを備えている。しかも、32GBの内部ストレージと1.5GBのRAMも搭載。また第2バージョンもあり、USB-Cの代わりにLightningポートを搭載し、RAMは1GBと少なめである。
本製品が実行するファームウェアは「19F47」だが、これはiOS 15.5初期のアップル社内バージョンと同じ番号だ。このことから、アップルの外付けディスプレイStudio Display(iPhone 11と同じA13 Bionicを搭載)と同じく、同社の独自開発チップを積んでいると推測されるしだいだ。
そのほか、FCCがMacBook ProとiMacと接続してテストしたという事実を除けば、アップルが2022年11月まで秘密保持契約を守るよう要求しているため、これ以上の情報は得られない。
アップルは、iPhoneやMacの修理業者が使う専用ツールなど、社内あるいは正規プロバイダー向けに限られた複数のデバイスをFCCに登録している。このデバイスも内部向けにすぎず、一般ユーザー向けには発売されない可能性もあるわけだ。
が、もしも消費者向けの製品だとしたら、アップルが2018年に販売終了したWi-Fiルーター「AirMac」シリーズの後継モデルとなるのかもしれない。当時、同社はEngadgetに、Wi-Fiルーターを再び投入する可能性を示唆しつつ、それは保証されたものでもないと述べていたという。
すでにWi-Fiルーター市場には、高性能かつ低価格の製品が投入されており、アップルが正面から価格競争に挑むとも考えにくい。が、iPhoneやiPad、Macなどを密に連携させる新たなエコシステム、あるいは次期「AirPods Pro 2(仮)」でのロスレス再生を可能にするなど、高価格に見合った付加価値を用意するという方向性も考えられる。