ターナスCEOは5年前と考えが変わっているようです
「Macにタッチはいらない」は過去の話? アップルが方針を変えた理由

アップルは、タッチ対応のPROLED XDRディスプレイを搭載した新型MacBook Proを発表した。長年拒んできたMacのタッチ対応に踏み切った理由について、同社のジョン・ターナスCEO、ハードウェア責任者のジョニー・スルージ氏、マーケティング責任者のグレッグ・ジョズウィアック氏ら幹部が米WIREDの取材に応じている。
取材したジャーナリストのスティーブン・レヴィ氏によると、ターナス氏は方針転換について尋ねられると「誰が予想しただろうか?」と、にこやかに答えたという。
さらにターナス氏は、Macでは今後もトラックパッドとキーボードによる間接入力が操作体験の中心であり続けるとしつつ、「タッチ操作が快適で便利な場面もある」と述べている。つまり、タッチ操作は、あくまで補助的な位置づけだ
ターナス氏は「タッチ機能を追加しても、本体の重さや厚さを含めて製品のクオリティを一切損なわない段階に達する必要があった。それがOLEDスクリーンによって実現した」と語り、タッチ追加が従来のMacの操作体験や薄型軽量さを犠牲にしないことが条件だったと明かした。
さらに「これらすべてを実現し、そのうえでタッチ機能も備えているのだ」と付け加えている。
一方、スルージ氏は、過去10年間の技術進歩により、アップルがタッチスクリーン搭載Macに求める基準をようやく満たせるようになったと説明している。具体的には、カスタムシリコン(独自設計チップ)、ディスプレイに触れた際に熱く感じられないよう再設計された熱管理システム、画面を操作する際のぐらつきを最小限に抑えるために改良されたヒンジなどだ。
スルージ氏は、こうした技術の進歩が組み合わさることで「私たちの基準を満たした」と語っている。
またジョズウィアック氏は、少なくとも高度な要求を持つユーザーにとって、タッチ対応はもっと早く実現すべき機能だったとの認識を示した。同社のプロユーザーであるエンジニア、科学者、ソフトウェア開発者、メディアクリエイターたちは、画面を直接操作できないことにしびれを切らしていたという。
「ほとんどのプロユーザーはiPadを所有しており、ほぼすべてのプロユーザーがiPhoneを所有している」とジョズウィアック氏は語る。「だから、これは彼らにとって自然な操作なのだ。私たちのMacBook Proを使う若いクリエイターや若者の世代は、画面に触れることを期待している」とのことだ。
レヴィ氏は、過去のアップル幹部による否定的な発言も挙げている。2015年に当時ワールドワイドマーケティング担当シニアバイスプレジデントだったフィル・シラー氏が「デスクトップ環境で手を上へ伸ばすタッチ操作は不快」と語り、2021年にはターナス氏自身Macは間接入力に完全に最適化されている。変える理由を特に感じていない」という趣旨の発言をしていた。
なおレヴィ氏は、今回の取材に当たってシラー氏へのインタビューも依頼したが、アップル側は応じなかったと伝えている。
