犯人は約800m離れた場所に放置して逃走

NVIDIAロゴ入りトレーラー2台、盗まれる。しかし積み荷はGPUでなく「合計約18トンの砂」

多根清史

Image:/Robert Way/Shutterstock.com

自動運転トラック技術を開発するPlusAIは、NvidiaAIソフトウェアや自動運転トラック技術で協力しており、両社のロゴが入ったトラックやトレーラーを複数保有している。

しかしある日、そのトレーラーのうち2台が盗まれてしまった。PlusAI幹部は、9月24日朝に知人から連絡を受けてトレーラーの盗難を知り、その後警察によってトレーラーは回収されたという。

ものの、中身は高価なGPUやAI用機器ではなく、走行試験用の砂が合計4万ポンド(約18トン)積まれていたと米Wiredが報じている。

AIデータセンターの建設ブームにより、近年はRAMやGPUなど関連製品の価格が非常に高価になっている。それに伴い、高額なコンピューター機器、とりわけデータセンター向けのチップや電子機器を狙った窃盗が増加している。

6月末には、米イリノイ州で、盗難された2台のトレーラーから、約30万ドル相当の銅線と約100万ドル相当のデータセンター向け機器が発見される事件があった。さらに8月には、カリフォルニア州でAIデータセンター向けの高額な機器を運ぶトラックに対し、警備の車両をに故意に衝突して追跡を振り切り、トラックとその積み荷を奪うという事件も伝えられている。

今回の件では、9月24日(現地時間)の朝、PlusAI幹部のもとに知人から「勤務先の近くでPlusAIのトラックを2台見た」という趣旨のメッセージが届いたという。しかし、それらのトレーラーは本来、知人のオフィス付近ではなく、約0.5マイル(約800m)離れたPlusAIの倉庫外に置かれているはずだった。

通報を受けて警察が現場に向かい、PlusAIとNvidiaのロゴが入ったトレーラー2台を回収した。どうやら何者かが、自前のトレーラーヘッドを用意してトレーラーに連結し、そのまま走り去ったとみられている。なお、トレーラーを固定していた手動ロックは破壊されていた。

2台のトレーラーに積まれていた約18トンの砂は、走行試験などの研究開発に使う「模擬積載物」だったと、PlusAIの広報担当者は説明している。一方、PlusAIの自動運転技術を搭載する、本来のトレーラーヘッドは倉庫内に保管されていたため、被害はなかったという。

捜査を担当する米フリーモント警察署の広報担当者は、9月25日時点で捜査中であり、逮捕者は出ていないと述べている。NvidiaはWiredのコメント要請にすぐには応じなかったという。

トレーラーにペイントされていたNVIDIAのロゴから、AI関連の高価な機器を積んでいると思う人もいるだろうが、実際のところ犯人が何を狙っていたかは明らかになっていない。

まして、今回は砂だけで済んだものの、AI関連製品が高額で取引される状況が続けば、今回のような貨物窃盗が再び起こる可能性もありそうだ。

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