還付分は新たにゲーム機やソフトを買う人向けの一部原資に
米任天堂、関税還付金の一部で「顧客感謝セール」。購入者への直接返金はせず

任天堂は、米国のいわゆる「トランプ関税」が還付されたことに伴い、約3億ドルを売上原価から控除したことを明らかにしている。この関税は昨年8月初めに導入され、その直後、任天堂は初代Switchや一部アクセサリー類を一斉に値上げしていた。しかし今回の還付分について、任天堂はゲーム機などを購入した顧客に返金する必要はないと法廷で主張している。
そんななか、米国任天堂は「Customer Appreciation Sale(顧客感謝セール)」を9月12日から26日まで実施すると発表した。公式リリースでは、このセールが「関税に関する還付金により、その一部が可能になった」ことを強調している。
このセールでは「数十本のNintendo Switch向けデジタルゲームとバンドル」が30%オフになるほか、一部のパッケージソフト、追加コンテンツ、アクセサリー、amiibo、アパレルも割引対象となる。販売チャネルは米国のNintendo eShop、Nintendo Store、参加小売店とされ、商品や値引き内容は小売店・販売経路ごとに異なるという。
任天堂は、このセールについて「継続的にご支援いただいている任天堂のプレイヤーの皆様に、感謝を伝えるためのもの」であると説明した。さらに「任天堂が関税に関連する費用の大部分を負担した」としつつ、還付金が今回の販促企画を後押ししたとしている。
つまり任天堂は、関税分をSwitchなどの価格に全面転嫁せず、自社でコストの大部分を負担した結果、今回の還付金が「一部」値引きセールに貢献したという構図を打ち出している。この姿勢は、法廷での「関税の還付を受けたとしても、その分を購入した顧客に返還する法的義務はない」との主張とも一貫しているといえそうだ。
同じくトランプ関税の還付を受ける立場にあるソニーも、ゲーム機にとって関税はさまざまなコスト要因のひとつに過ぎず、関税額とゲーム機の値上げ幅がそのまま対応しているわけではないと主張している。関税分を価格にそのまま上乗せしたわけではない以上、当時の値上げと関税、さらに今回の還付金を直接結びつけることはできない、という理屈である。
当時ゲーム機を購入した顧客に還付金を払い戻したとしても、1人当たりの金額はそれほど大きくない。その一方で、払い戻しには少なくないコストがかかり、それによって新たなユーザーが増えるわけでもない。それなら還付金の一部を原資としてセールを実施し、今後のゲーム機やソフトの売上につなげる方が建設的だ――任天堂はそう判断したのかもしれない。
- Source: 任天堂(US)
- via: Nintendo Everything
