もし実現していれば凄まじい高価さになっていたかも

アップル、折りたたみディスプレイMacBook開発中止か、別の有機ELモデルも取りやめとのうわさ

多根清史

Image:Robert Way/Shutterstock.com

アップルが9月10日午前2時開催の「おはよう世界。」イベントで折りたたみiPhoneを発表するとみられているなか、その次に注目が集まるのは、長らく噂されてきた、折りたたみ式ディスプレイを搭載するMacBookだろう。

この折りたたみディスプレイ搭載のMacBook(以下、折りたたみ式MacBook)は、キーボード面もディスプレイ化されると噂されていた。開いた状態では仮想キーボードを表示してノートPC風に使い、完全に広げれば大画面ディスプレイとして機能する。さらに外付けキーボードと組み合わせれば、デスクトップ型Macのような運用も可能と予想されてきた。

しかし、この折りたたみ式MacBookと、それとは別系統の14.4〜16.1インチ級の有機ELディスプレイを搭載するMacBookの開発を、アップルが取りやめた可能性があると、調査会社Omdiaが調査レポートで報告している。

このレポートではまず、展開時に16.1〜18インチ程度となる大型の折りたたみ式MacBookの開発が中止されたとしている。この大型の折りたたみディスプレイを持つデバイスについては以前から、当初予定されていた2026年の量産計画から後ろ倒しになったと報じられていた。ただし当時はMacBookではなく、「大画面の折りたたみiPad」として説明されることが多かった。

また、アップルの内情に詳しいBloombergのMark Gurman記者は今年4月、「約20インチの折りたたみ式iPad」の開発が進んでおり、当時はアップルのハードウェア部門を率いていたジョン・ターナス氏にとって「優先事項」になると伝えていた。その一方、実際に開発に携わった複数の人物の証言として、「日の目を見ることがない奇妙な実験になるかもしれない」とも付け加えていた。

さらにOmdiaは、14.4〜16.1インチの有機ELディスプレイを搭載する別のMacBookの計画も中止されたと報じている。このモデルは、現在の14.2インチ/16.2インチMacBook Proと、中止された折りたたみモデルとの中間に位置する、独自の製品ラインになるはずだったという。

それでもOmdiaによると、今後アップルがiPadとMacBookの全ラインナップに有機ELディスプレイを展開するという大枠の方針は変わっていない。ただし、どの製品に有機ELを搭載するか、また各製品で具体的にどの有機EL技術を採用するかについては見直されているとのことだ。

こうした再編の一環として、アップルは液晶ディスプレイ搭載MacBook Airと有機EL搭載MacBook Proの間に位置する、新たな13.8インチMacBookを検討しているとOmdiaは述べている。このモデルには新世代の有機EL技術が採用され、LTPO+バックプレーン、画面下カメラ、COE(Color Filter on Encapsulation)技術などを搭載するという。

一方、「MacBook Ultra」の仮称で呼ばれる14.3インチ/16.3インチの有機EL版MacBook Proについて、Omdiaは2026年後半または2027年初頭に発表される見込みとしている。この見通しは、Bloombergの報道など他の情報源とも一致している。

さらに、これらハイエンド有機ELモデルが登場した後も、アップルは既存のミニLED版MacBook Proを廃止せず、少なくとも2028年までは継続する可能性が高いという。

MacBook Ultraはコストの高い有機ELディスプレイを搭載することで、非常に高価になると予想されている。ハイエンドに寄せすぎれば、従来のMacBook Proユーザーからの買い替え需要を逃しかねない。そのためアップルは、ミニLED版を併売することで、比較的購入しやすい選択肢を残すかもしれない。

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