販売サイトはすでに消えました
ハッカー、闇サイトで1.5億人以上の身分証画像を販売か。米国防長官やFBI副長官の免許画像も

情報セキュリティのエキスパートであるブライアン・クレブス氏は米国およびカナダの1億5300万人以上の運転免許証のスキャン画像がダークウェブ(いわゆる闇サイト)で販売されており、FBIが捜査に乗り出していると、自身のサイトKrebs on Securityで報じた。
クレブス氏がこの件について知ったのは、8月31日に情報提供者から自身のサイトに対し、なんとクレブス氏本人の運転免許証が、無料サンプルとして公開されているとタレコミがあったからだと述べている。
問題の闇サイトは「Nexus」という名前で、米国とカナダの人々の運転免許証を1億5300万枚以上、身分証明書を1000万枚以上、旅行書類や国際身分証明書を300万枚以上、そして少なくとも57万9000枚の医療カードを保有していると主張していたという。
クレブス氏は、このサイトの検索欄になにも入力せずに検索ボタンを押してみた(すべての身分証がヒットするか、なにもヒットしないかのどちらかになると思われる)。すると検索結果が約1150万ページにも及んだことから、1億5300万という数字が決して誇張ではないようだと述べている。
なお、検索結果の大半は米国のものだったが、約110万件はカナダの身分証であり、うち約47万件がオンタリオ州に集中していた。また、これらの身分証のなかからは米国務長官やFBI副長官の名前が記されたものも発見されたという。
クレブス氏は、このサイトで自身の運転免許証を見つけ出した。しかも免許証のスキャン画像は、裏表それぞれで通常スキャン、紫外線スキャン、赤外線スキャンされて、合計6つの画像ファイルになっていたという。
Nexusのサイトでは、これらの身分証画像が大手本人確認会社から継続的に漏洩しているものであり、その顧客には複数のFortune 500企業も含まれていると主張していた。クレブス氏は、同サイトを調べて始めてから24時間後には検索可能な運転免許証の数が約40万件増加していたとし、これは半ば定期的に新たな免許証画像が収集されていることを示唆していると述べている。
クレブス氏は、家族や友人10人以上に協力を求め、その人たちの身分証をNexusで検索し、スキャンされた日時の情報と、その時の本人たちの行動を付き合わせて情報の漏洩元を探った。すると、いずれも大手レンタカー会社のHertzで、スキャンされた時間に免許証を提示していたことがわかった。ただ、記事執筆時点では、まだHertzへの問い合わせに返答はない模様だ。
なお、情報の漏洩元はHertzだけに限らない可能性もある。情報セキュリティ研究者であるザック・エドワーズ氏もNexus上で自分の運転免許証を発見したが、その出所として疑わしいのは8月に開催されたHacker Summer Camp 2026参加のため滞在していたラスベガスで、IDScan.netと提携しているPlanet 13が運営するマリファナ店を訪れた際に、自身の身分証がスキャンされた可能性があると指摘した。
なお、IDScan.netはHertzとも提携しているほか、FedExやGameStopといった企業とも提携している。
この問題は、個人情報漏洩事件として史上最悪の規模になる可能性が高そうだ。クレブス氏は、FBIおよびID Scanは問い合わせに対して返答していないとしつつ、それぞれ独自の調査を開始していると報告している。一方、Nexusのサイトはクレブス氏がKrebs on Securityで今回の件を報告した直後にアクセス不能となったが、今後別のドメイン名やサイト名でどこかに復活する可能性もあるとしている。
ちなみに、過去に発生した大規模個人情報漏洩としては、2022年に発生した、中国のほぼ全国民(約10億人)の個人情報、合計22TBが流出した事件があった。このとき流出した情報は、報道される数日前にすでに闇サイトで販売されたと言われている。
- Source: Krebs on Security
- via: PCMag TechCrunch
