アップル公式に『サイバーパンク2077』に言及

アップル、AIにもゲームにも強い「M6」発表。“最もパワフル”でローカルLLM対応「M5 Ultra」も

多根清史

Image:Apple

アップルは2026年8月25日、新型Mac miniに搭載される「M6」チップと、新型Mac Studioに搭載される「M5 Ultra」チップを発表した。M6はアップル初の2nmプロセス技術で製造されたチップ、M5 Ultraはアップル初のクアッドダイアーキテクチャを採用した「アップル史上最もパワフルなチップ」と謳われている。

M6は一般ユーザーから学生、デベロッパー、AI愛好家まで幅広い用途を想定し、パフォーマンス、電力効率、オンデバイスAIのバランスを重視して設計されたという。最先端の2nm技術で製造され、トランジスタ密度と電力効率が大幅に向上しているとのことだ。

その主な仕様は、次の通りである。

  • CPU: 2つのスーパーコア、4つの高性能コア、6つの高効率コアで構成される新しい12コア構成。M5より2コア増加している。アップルは世界最速のシングルスレッド性能を謳い、マルチスレッド性能はM5チップ比で最大1.2倍、M1比で最大2.4倍としている。とくに画像編集、コードのコンパイル、エージェント型AIのワークロードなど、CPU負荷の高いタスクが高速になる
  • GPU: 各コアにNeural Acceleratorを備えた12コア構成で、M5より2コア増加。AI演算のピーク性能はM5比で約30%向上し、M1比では8倍以上となる。オンデバイスLLMでのプロンプト処理も大幅に高速化する
  • メモリ: 最大32GBのユニファイドメモリに対応。帯域幅は最大170GB/sとなり、M5比で10%増、M1比で2.5倍となった
  • グラフィックス処理ハードウェア: 更新されたシェーダコアアーキテクチャやDynamic Caching、ハードウェアアクセラレーテッドレイトレーシングを搭載。これらを組み合わせることで、ゲームにおけるリアルなビジュアルや高速レンダリング、より高いフレームレートを実現する

このなかで特に興味深いのは、ゲームグラフィックスの向上が強調されていることだ。

ここ数世代のMシリーズチップの発表ではゲーミングPC的な性能に重きが置かれてきたが、M6 Mac miniの公式プレスリリースでは、「サイバーパンク2077 アルティメットエディション」でレイトレーシングを有効にした場合、ゲームパフォーマンスがM4搭載Mac mini比で最大2倍高速になるとことさらにアピールされている。実行環境は「2048×1152解像度、ウルトラプリセット、MetalFXはバランス、レイトレーシング有効、5Kディスプレイを接続」とのことだ。

M6を搭載した新型Mac miniは、最小構成が16GBメモリ・256GBストレージで14万9800円から。すでに予約注文が開始されており、9月22日に発売予定だ。

一方、M5 Ultraは複雑な3Dレンダリングやビジュアルエフェクト、科学的解析、演算負荷の高いフロンティアAIモデルのオンデバイス実行など、プロフェッショナル向けワークロードを想定して設計されたチップだという。

アップル初の「クアッドダイアーキテクチャ」は、2つのデュアルダイM5 Maxチップを次世代UltraFusion技術で接続したものだ。4つのダイを1つの統一されたプロセッサーとして動作させる仕組みであり、ダイ間帯域幅は4.4TB/s以上、接続密度は従来比で6倍以上に高められているとのことだ。

M5 Ultraの主な仕様は、次の通りである。

  • CPU: 最大36コア(スーパーコア12基、高性能コア24基)。M3 Ultra比でシングルスレッド性能は最大1.25倍、マルチスレッド性能は最大1.3倍
  • GPU: 最大80コア。各GPUコアにNeural Acceleratorを搭載
  • AI演算性能: GPUのピークAI演算性能はM3 Ultra比で最大4.5倍、M1 Ultra比で6倍超
  • グラフィックス性能: M3 Ultra比で最大40%高速
  • GPU機能: 最新のシェーダコア、第2世代Dynamic Caching、ハードウェアアクセラレーテッドメッシュシェーディング、第3世代レイトレーシングを搭載
  • Neural Engine: 32コア。複雑なAIタスクとApple Intelligenceをオンデバイスかつ高い電力効率で実現する
  • ユニファイドメモリ: 最大512GB
  • ユニファイドメモリ帯域幅: 最大1.2TB/s。M3 Ultra比で50%増
  • メディアエンジン: H.264、HEVC、AV1のデコードに対応。ProResのエンコード/デコードエンジンを4基搭載

M5 Ultraの公式プレスリリースからは、全般的に大規模LLMをローカルで動かすAIワークステーションとしての用途を強く意識している印象を受ける。実際、アップルのティム・クックCEOはMac miniとMac Studioについて、AIおよびAIエージェントツールのための優れたプラットフォームであり、その価値が顧客に予想以上の速さで認識され、予想を上回る需要につながっていると説明していた

新型Mac StudioのM5 Ultra搭載モデルは、最小構成が96GBメモリ・1TBストレージで94万9800円から。こちらもすでに予約注文が開始されており、9月22日より順次出荷される予定だ。

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