スカイウォーカーを見つけ出すのに必要だ!

米市議会でダース・ベイダー乱入の珍事。ストーカー悪用で物議の警察用監視カメラ技術を擁護

Munenori Taniguchi

Image:Stefano Buttafoco/Shutterstock.com

8月19日、米サンディエゴ市議会で開かれた会議に、映画『スター・ウォーズ』に登場する著名キャラクター「ダース・ベイダー」に扮した謎の人物が現れ、発言する珍事があった。

サンディエゴ市では、市警(SDPD)が昨年、市の監視監督条例による正式な承認プロセスを経ずに警察向け監視技術企業であるFlockと契約を結んだことが問題視されている。

Flockは全米に設置された12万台の監視カメラをネットワークで結び、自動車のナンバーを読み取るだけでなく、カメラ映像と音声も記録することで、その車両の居場所や車種、バンパーに貼られたステッカーに至るまでの情報を検索可能なシステムを構築している(サンディエゴ市には550台のカメラがあるという)。

ところが、これを利用可能な警察官のなかに、現在または過去の交際相手を追跡したり、だれかに嫌がらせする目的で同システムを使う者が現れた。Washington Postによる調査では、警察官がストーカー行為など許可されていない目的でFlockの監視カメラを使用し、告発された事例が46件も確認されたという。

今回、サンディエゴ市が開いた公共の安全に関する会議に一般市民として出席したシスの暗黒卿は、「ダース・ベイダーさん、どうぞ」と発言を許可されたのち、例の息づかいでゆっくりとマイクに向かった。そして開口一番「儂はFlockのファンである。それゆえ、これこそ我々が必要としているものなのだ」と独自の意見を開陳した。

Image:Flock

ベイダー卿は物議を醸しているFlockの監視技術について以下のように続けた。

「我々はFlockの技術を引き続き活用し、反乱軍のクズどもが遊び場から遊び場へ、遊び場からプールへ、プールから体育館へと移動する様子を追跡・監視し続けなければならない」

「なぜなら、Flockのカメラはナンバープレートの読み取りに留まらず、子どもたちを追跡していることは衆知の事実だからだ」

「我々はこれを必要としている。もちろん元カノをストーキングするためにも、これが必要なのだ」

最後の発言には、後ろの席で聞いていた女性市民も思わず吹き出していた。

ベイダー卿はその後も、雨水排水溝の清掃のために増税を呼びかけ、市内のホームレス退去の提案へと話題を変え「市議会議員は警察署を人道的な組織であるかのように見せかけるために『二枚舌』を使うことができる」と主張。議員のジェニファー・キャンベル氏に「キャンベルさん、あなたはジェダイのマインドトリックを身につけなければならない。こうやるのだ。こう!」と、手を前にかざすジェスチャーをして見せた。

さらには、サンディエゴにある米移民税関執行局(ICE)のオタイ・メサ拘留施設にも言及し、これを称賛した。この施設はトランプ政権が中南米系やアジア系など非白人を排除しようとする中、同地域で悪名高い場所とされている。

最後に再びFlockへと話は戻り、Flockのカメラを「ルーク・スカイウォーカーがXウィングで宇宙を旅するとき、彼を見つ出すために使うべきだ」とし、「この技術は必要不可欠な『フォース』なのだ」と締めくくった。

ちなみに、Flockに関してAxiosが報じたところでは、地元の活動家や一部の市当局者が、大規模な監視や法執行機関による技術の悪用の可能性について懸念を表明している全国各地の批判者たちに加わり、代替案を求めていると報じている。

またFlockは、批判を受けてプライバシーおよびデータ保持に関するポリシーを変更し、推奨するデフォルトのデータ保持期間を30日から7日に短縮し、システム内に情報が保持される期間も短縮すると発表している。

だが、今回思わぬところで飛び出したダーク・ロードからの擁護発言に対してはコメントしていない。

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