他人がAIで生成した曲を聴きたい人はどれぐらいいるのだろう

AI楽曲生成「Suno」が電子透かしと指紋技術を導入、生成楽曲の不正利用を防止へ

Munenori Taniguchi

Image:Suno

生成AIを使用し、テキストから歌入りの楽曲を自動生成するサービス「Suno」は、コミュニティガイドラインの更新により、同プラットフォーム上で作成された楽曲に新しい電子透かし技術を取り入れることを明らかにした。

同社の共同創業者でCEOのマイキー・シュルマン氏は、発表を含むブログ記事で同サービスの基本理念を共有し、AIツールを用いてより多くの人々が音楽制作を行えるようにしつつ、オリジナル作品の創作を促進していきたいと述べている。

今回の透かし技術導入のきっかけは、同サービスのユーザーがAI生成した楽曲を音楽ストリーミングサービスに公開、収益化していることが問題視されたことだった。

すでにSunoに対しては、レコード会社やアーティスト団体から数多くの訴訟が起こされている。先月末には、ドイツで起こされた訴訟において、裁判所が政府指定の著作権管理団体であるGEMAの主張を認め、Sunoが著作権法に違反していると判断する判決も出ている。

そのため、Sunoは同社のAIツールを用いてより多くの人々が音楽制作を行えるようにしながら、もっとオリジナル色ある作品の「創作」を推進していきたい意向だ。

Image:Mijansk786/Shutterstock.com

Sunoの規定では、無料プランで生成した楽曲の収益化は禁止されている。また、有料プランで生成した楽曲は商用利用は可能とされているが、既存のアーティストの楽曲に似ていると感じられる部分が含まれていれば、収益化できない可能性が高い。

したがって今回の透かし技術やフィンガープリント技術の導入は、他のストリーミングプラットフォームでの不正利用を防止するためとの意味合いが強い。ただし、同社はGoogleの「SynthID」のような既存システムを採用するのか、それとも新たなシステムを導入するのかは不明だ。

なお、Sunoは歌詞提供サービスのMusixmatchと契約を締結し、著作権侵害の検出に同社の「Sentinel」システムを活用することも、今回のブログ記事で発表した。

「これらのツールは、リスニング体験を損なうことなく、楽曲の改ざんに耐えられるように耐久性を持たせて設計されている。また、楽曲が優劣や、意味の有無、あるいは十分に人間らしいものか否かといった判断を下すことを意図したものではない」ともシュルマン氏は述べている。

また、Sunoは模倣者の出現を防ぐため、コミュニティガイドラインに「本物であるかのように装った欺瞞的な音声」や「本人の許可なく実在する人物の声や肖像を使用すること」を明示的に禁止する文言を追加した。

そして「最終的には、何を公開するかを決定するのはアーティストやプラットフォーム次第であるべきだとわれわれは考えている。われわれの役割は、彼らに透明性に関する選択肢を提供し、プラットフォーム間の連携を容易にするツールを構築することだ」とした。

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