丸洗いOKの耐久性と大容量バッテリー

コスパ抜群の「arrows We3」ハンズオン。2万円台から手に入るコンパクトスマホ

編集部:平山洸太

「arrows We3」

FCNTは6月25日、エントリースマートフォン「arrows We3」を発売した。スマートフォンが高騰している昨今において、NTTドコモでは一括22,000円、他キャリアでも33,000円を実現しているローエンドモデルだ。なお、SIMフリーでは執筆時点で42,000円で販売されている。

本機種はエントリーとして価格を重視しつつ、そのなかでも多くのこだわりが詰め込まれている。同社から実機をお借りしたので、実機に触れつつご紹介してみよう。

さて、本体の横幅は約72.87mm、薄さは8.90mmとなっており、前機種「arrows We2」のサイズ感をそのまま引き継いでいる。同社では「72mm台が一番ユーザーの持ちやすいサイズ感」だとしており、0.01mm単位で少しでもコンパクトにしたため、あえて小数点第二位まで記載しているそうだ。

左が新モデルのWe3、右が前モデルのWe2

ディスプレイはコンパクトながらも大画面化させたいとのことから、あえて市場にある既存サイズではなく、本機に合ったものを新規で作成。大きさ6.14インチの液晶で、解像度はWe2よりも高解像度な900×1984となっている。リフレッシュレートは最大120Hz、最大輝度は1,000nit。

コストが限られるため有機ELではなく液晶を採用しているが、それでもなるべく良い液晶を採用したとのこと。サウンド面でもモノラルからステレオに進化、Dolby Atmosにも対応するなど、動画をはじめとしたコンテンツを楽しめることを意識しているようだ。3.5mmのヘッドホンジャックも備えている。

イヤホンやヘッドホンを利用することが可能。ただしWe2にあったFMラジオ機能は廃止された

FCNTがWe2のユーザーにアンケートを行ったところ、購入で重視した点の上位を占めていたのがバッテリーだったという。そこで、コンパクトながらも5,000mAhの大容量バッテリーを採用(We2から500mAh増加)。2日間の電池持ちをアピールしている。バッテリー劣化を抑えるため、画面点灯時は充電しないダイレクト給電、5年後(1.5日に1回、0〜100%まで充電)も80%の容量を維持する制御技術を備える。

さらに、少しでも長く使えるように “世界最高水準の頑丈さ” を目指したという。上位モデル「arrows Alpha」と同等の堅牢性とのことで、IPX6/8/9の防水性能、IP6Xの防塵性能、そして米軍MIL規格(MIL-STD-810H)23項目の準拠を実現。カバーガラスにはCorning Gorilla Glass 7iを採用しており、1.5m落下させても画面が割れにくい構造を採用する。

背面の様子

ちなみにWe2はIP58だったため、前世代よりも耐久性が高められている。またMIL-STD-810Hを23項目というのは一般的なMIL規格準拠のスマートフォンよりも多い項目数とのこと。コストは上がってしまうものの、ハンドソープを使った丸洗いやアルコール除菌もしっかりと継続している。

プロセッサーには「MediaTek Dimensity 6300」を採用。前機種のWe2では「MediaTek Dimensity 7025」を搭載していたため、クラスとしては下がっているが、7系は制御が難しいとのことで、日常のパフォーマンスはむしろ向上しているという。

実機でいろいろと試してみたが、ブラウザでのサイト表示もスムーズで、YouTubeアプリから動画再生をしてみてもストレスを感じなかった。位置情報ゲームの『ポケモンGO』もインストールしてみたが、たまにコマ落ちする場面があるのは仕方ないとはいえ、あまりストレスを感じずにプレイできた。確かに、ヘビーな使い方でないなら問題なさそうだ。

カラーは3色をラインナップする。左から、ライトブルー、ブラック、ホワイト

一方で、メモリに関してはスペックの限界を感じる場面もあった。本機には、メモリ/ストレージが4GB/64GBと8GB/128GBのモデルが用意されている。8GBモデルはSIMフリーのみで、価格は実勢価格で56,800円(執筆時点)と、24,800円ほどの価格差がある。ちなみに最大2TBのmicroSDに対応するため、ストレージが足りない場合は増量できる。

本機は120Hzのリフレッシュレートに対応しているが、4GBではホーム画面で120Hzを出し切れておらず、スクロールするとコマ落ちしてカクカクとした表示になる。一方、8GBではスムーズにスクロールできる。60Hzで困らないなら4GBで問題ないが、滑らかな動作を期待するなら8GBのほうが良さそうだ。

120Hzを利用するにはディスプレイ設定を変更する必要がある

参考までにAnTuTuベンチマーク(V11.1.4)も走らせてみたが、2機種でそこまで大きな差はなかった。総合スコアでは4GBが「563880」、8GBが「576718」。個別のスコアを見てみると、やはりメモリとUXは8GBのほうが高くなっている。

左が4GB、右が8GBのスコア

もうひとつ、本機で力が入れられているのがカメラだ。広角の1眼ではあるが、ワンランク上のモデルで採用されるという、ソニーの50MPセンサー「LYTIA 600」を採用。これによってセンサーサイズを1/2.76インチから1/1.95インチに大型化している。レンズの明るさはF1.88。蛍光灯などのちらつきを検出/抑制、露出調整高速化できるフリッカーセンサーも新たに搭載した。なお、フロントカメラは約800万画素。

カメラが2つあるように見えるが、1つはフリッカーセンサー。We2で搭載していたマクロカメラは非搭載になった

センサー刷新によって暗所性能が上がっているが、それに加えてナイトビジョンモードを強化。薄暗い場所でも明るく鮮明に撮影しながら、白飛びを抑えて自然な暗さの雰囲気も再現するという。建物のレンガの目地などもソフト的に塗りつぶすのではなく、騙さずに描画できることを目指したそうだ。

ナイトビジョンモードで撮影した作例と、一部を拡大した様子

そのほか、一眼レフのような背景ボケを楽しめるポートレートが強化され、マイナンバーカードや名刺などを簡単に画像化できるスキャン機能も搭載している。

ジュニアやシニアに向けた機能も盛り込まれている。ジュニアに向けては、子ども向けの設定を1か所にまとめた「ジュニアモード設定」を用意。文字入力キーボードに好みの画像を着せ替えられる「Super ATOK ULTIAS」や、興味のある分野の最新ワードが変換候補に出てくる「ATOK キーワードExpress」も無料で利用できる。

シニア向けには、海外からの着信を一律拒否できる迷惑電話対策を新たに搭載。AIで会話を解析し、詐欺の危険がある場合は警告する機能もアップグレードした。さらに、診断サポートがQAサポートに進化し、AIに聞くだけで最適な設定画面までを案内できるようになった。

シニア向け機能にも力が入れられている

そのほか、Google GeminiによるAI機能、FeliCaによるおサイフケータイといった機能に対応。また、「富士通時代から根強く使って頂いている方がいる」ということで、従来からarrowsに搭載してきた機能は「全部乗っている」そうだ。

メモリ高騰によってスマートフォンの値段も上がっている昨今。特にローエンドのモデルは他のパーツでメモリのコストを吸収することが難しく、フラグシップモデルよりも厳しい状況にあると多々言われる。そういった状況でローエンドに挑戦しつつ、ユーザーの期待に応えるべくこだわった本機。気になる方は店頭でそのサイズ感やこだわりを確かめてみてほしい。

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