「ストリーミング詐欺」という言葉も定着

AI楽曲を音楽チャートから排除へ。ソニーなど大手レーベルが新ルール要求

多根清史

Image:MMD Creative/Shutterstock.com

ソニー・ミュージック、ユニバーサル・ミュージック・グループ、ワーナー・ミュージック・グループを含む複数の大手レーベル連合が、AIによる粗製乱造(AI slop)の楽曲を世界の音楽チャートから締め出すべきだと求めている。こうした反発は、生成AI楽曲がBillboardの著名なランキングやSpotifyの各種人気楽曲リストで上位に急浮上していることを受けたものだ。

The Hollywood Reporterによると、この連合には複数の中小レーベルや独立系レーベルも参加しており、チャート運営会社に対し、AI生成音楽に関するより厳格なルールの導入を求めている。連合は、チャートの対象となるのは主として人間が制作した楽曲に限定すべきであり、AIが関与している場合は、その利用が合法であることを明確に証明できなければならないと主張している。

この動きは、ソニーを含む大手レーベルが、SunoやUdioといったAI音楽生成サービスが無許可で自社の楽曲を学習に使用したとして相次いで提訴していることを受けたものだ。また連合は、ストリーミング詐欺(不正に再生数を水増しする行為)に関与している可能性のある楽曲についても、世界中の音楽チャートにランクインさせるべきではないと主張している。

ストリーミング各社は、AIに関する透明性を巡って音楽業界から高まる圧力に直面している。今月初めには、米国レコード協会(RIAA)と国際レコード・ビデオ製作者連盟(IFPI)が、音楽ストリーミングアプリ上で対象楽曲を「完全AI生成」または「一部AI生成」と表示する任意のラベル制度を提案した

アップルはすでに同様の仕組みとして「Transparency Tags(透明性タグ)」を導入しているが、現時点では独自の強制検知メカニズムはなく、タグ付けはレーベルや配信事業者の自主的な申告に委ねられている

一方、ハイテク大手は、簡単なプロンプトだけで誰でも音楽を制作できる生成AI環境をますます整えつつある。たとえばGoogleのLyria 3 Proは、最長3分の楽曲を生成できるほか、イントロやサビ、ブリッジといったパートごとの生成にも対応する。

それに伴いAI生成楽曲も急増しており、Spotifyは7,500万曲を超える「スパム的な楽曲」を削除せざるを得なかった。Deezerも1日6万曲を超える完全AI生成トラックがアップロードされているとして、AI楽曲の可視化を強化している

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