それでもすでに完売済み
Steam Machineが19万円になった理由。Valve「メモリメーカーの言い値を飲むしかない」

Valveは据え置きゲーム機風PC「Steam Machine」をようやく発売したが、その価格は1000ドル超(日本では約19万円〜)と高額になっている。その背景には、AIブームによるメモリ価格の高騰があることを、同社も米IGNの取材に対して認めている。
そして別のインタビューでは、DRAM(PC用メモリ)大手メーカーとの取引実態についても明かしている。
YouTubeチャンネルGamers Nexusの取材に対し、Valveのスタッフは、DRAMメーカーとは長期契約も価格交渉も事実上できないと説明した。
「彼らのような巨大サプライヤーは、毎月のように『今月はこの価格で、この数量なら出せる。買うか買わないかだ』と言ってくるだけだ。そしてこちらが一度でも『ノー』と言えば、二度と話を持ってこなくなるような力関係にある」(要約)という。
Steam Machineは16GBのRAMを搭載しているが、「16GB×1枚(シングルチャネル)」構成の個体と、「8GB×2枚(デュアルチャネル)」構成の個体が混在して出荷されるという異例の仕様になっている。Valveによれば、自社の購買力では十分な量のメモリを安定的に確保できなかったためだという。
とにかく1台でも多く製造・出荷するため、市場にある在庫をその都度かき集めて割り当てるしかなかったとのことだ。社内でパフォーマンス検証も行ったが、実際のゲームプレイにおける差は「出荷を止めるほどの問題ではない」と判断したとしている。
前述のIGNインタビューでは、メモリ価格が高騰する前のSteam Machineの想定価格についても質問されている。Valveは具体的な金額こそ明かさなかったものの、「Steam Deckで起きた価格上昇とほぼ同じ割合で上がった」と説明した。これを受けてIGNは、当初の想定価格は約750ドルだったと推定している。
SamsungやMicronといった大手DRAMメーカーは、生産ラインをAIデータセンター向けのHBM(高帯域幅メモリ)へ大規模に切り替えている。HBMの利益率は消費者向けDRAMの数倍に達するとされ、メーカーにとっては合理的な判断である。
Micronは消費者向けブランド「Crucial」事業から撤退したほか、メモリ不足は2028年まで続くとの見通しも示していた。
Gamers Nexusは、消費者向けメモリに特化するG.Skillのような企業でさえ、OpenAIなどのAIハイパースケーラーと比べれば、もはや「小さすぎる顧客」になってしまったと指摘している。その結果、必要な部品の調達に苦労しているという。それより規模の小さいValveが価格交渉や十分なメモリ確保に苦戦しているとしても、不思議ではないだろう。
- Source: Gamers Nexus(YouTube)
- via: Kotaku
