日本のガラケーよりちょっとデカそう

“脱Google”だが「Androidアプリ99%対応」をうたう謎ガラケーがコモドールから今冬発売

Munenori Taniguchi

Image:Commodore

1980年代に人気を博した家庭用コンピューター「コモドール64」で知られるコモドールが、なぜかパソコンやゲーム機ではなく二つ折りのフリップフォン、日本で言うところのガラケー商品「Commodore Callback 8020」を発表した。

Callback 8020の予約開始は6月30日から、発売は今冬で、価格は499ドルから(ウェブサイト上の日本円表記では、88,147円から予約割引で80,134円)となっている。コモドールは世界各国に配送可能だが、一部例外ありとしている。

同社は1990年代に倒産したが、2025年に突如復活した。このブランドを再び立ち上げたのは、レトロゲーム専門のYouTubeチャンネル「Retro Recipes」を運営する、ペリ・フラクティックことクリスチャン・シンプソン氏だ。

当時のプレスリリースによると、同氏はコモドール・コーポレーションと「1983年以来コモドールの名を定義してきたオリジナル公式商標の100%」を買収したと述べている。

その後、フラクティックはコモドール64そっくりの筐体を持つミニPCを2機種発売している。しかし、それらは実際のところ、ガワがコモドール64そっくり、ということ以外には大した特徴はなく、大して話題にもならなかった。

しかし、今回コモドールが発表したCallback 8020は、2000年代に隆盛を誇ったものの、スマートフォンの台頭の前にほとんど絶滅した典型的なガラケーのスタイルをそのまま復活させるものとなっている。なぜ2020年代にそんなものを発売するのだろうか。

Image:Commodore

米国では近年、スマートフォンの「ドゥームスクロール」や、AIチャットボットとの会話に傾倒するあまり、睡眠不足に陥ったり、心身共に疲弊しメンタルヘルス方面に問題を抱えてしまう現象が問題視され、スマートデバイスから距離をおいて健全な生活を取り戻そうとする「デジタルデトックス」を試みる人も増えている。

Callback 8020は、そんな世の中のニッチなニーズが過去から召喚したオーパーツ的なデバイスと言えるかもしれない。ハードウェアとしてはインターネット通信機能を備えているものの、コモドールいわく「特許出願中の技術」によって「システムレベルで」ウェブブラウザーやメール、SNSアプリの起動をブロックするという謎の能力を備えているという。同社はそれを「ブラックミラー技術からの脱却」や「脱Google(de-Googled)」といった、ちょっと興味をひくキャッチコピーとともに売り込んでいる。

コモドールの発表によると、Callback 8020はLinuxベースの「Sailfish OS」を搭載する。このOSは2012年にNokiaの従業員が設立したモバイル企業Jollaが開発したものだ。そして、自社のアプリストア「Commostore」による厳選されたアプリにより、「完全にGoogleを排除した体験」を提供すると豪語している。

ただ、同社はSailfish OSが持つAndroidランタイムアプリ互換性レイヤーによって「99%以上のAndroidアプリをサポート」し、さらにCommostoreから入手できないほぼすべてのアプリがサイドロードできるともうたっている。もちろんSpotify、Signal、WhatsAppなどの人気アプリも動作するとのことだ。

Image:Commodore

要するにこれは「脱Google」と掛け声は勇ましいものの、ユーザーが望むならば様々なAndroidアプリを使うことを許してしまうツンデレケータイとも言えそうだ。ただそれでも、コモドールは「ドゥームスクロール」アプリについては「DNSレベルで断固として拒否している」と述べている。何が使えて何が使えないのかをすべて知るには、もはやこのガラケーを購入して確かめるほかなさそうだ。

Callback 8020のハードウェアは、スマートフォンとガラケーの中間的なソリューションを求めるユーザーのニーズを満たすのに十分な機能を備えているようで、グローバルLTEセルラー接続、Wi-Fi、Bluetooth、さらにはGPSにも対応している。SoCにMediaTek Helio G81を採用し、4GB RAM、64GBストレージを搭載する。

さらに、すぐに使い始められるように(音楽ファイル入りの)32GBのmicroSDカードが付属する。microSDカードスロットは最大256GBをサポートする。音楽再生機能は「ESSとCirrus LogicのオーディオファイルグレードのDACにより、HDオーディオとロスレスファイルをサポートし、高音質IEMイヤホンを同梱する」という。

フラッシュ付き背面カメラの画素数は48MPで、オートフォーカス機能付きのインカメラも搭載。交換可能な1550mAhバッテリーの充電はUSB-Cコネクター経由で行う。

Image:Commodore

ちなみに、Callback 8020のデザインはコモドール64ではなく、1970年代の7セグ表示タイプの電卓「Commodore 776M」をモチーフとしている模様だ。本体のカラーバリエーションはホワイト、シルバー、ベージュ、スターライト、ゴールド(Founder’s Edition)。なお、本体カバーは別途交換可能で、コモドールのロゴマークにあるのとほぼ同じ5色の交換カバーが用意される。

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