提携企業は警察に囚人を指紋無しに特定する技術も提供

Metaスマートグラス、噂の顔認識機能は「米軍・警察向け監視技術」活用か

多根清史

Image:MONOPOLY919

Metaが未発表のスマートグラス向け顔認識機能のテストに、米政府機関や警察へ監視技術を提供している企業Rank Oneのソフトウェアを使用していることが判明したと報じられている。

これは米Wiredが入手したライセンス文書に基づく報道である。同誌によれば、Rank Oneは米連邦保安官局(U.S. Marshals Service)に対し、指紋採取を行わずに囚人を特定する顔認識技術を提供している。

また、米特殊作戦軍向けには最大1km離れた場所から顔を識別できるツールの開発にも携わったという。さらに海軍犯罪捜査局も監視目的で同社の技術を利用しているとされ、法執行機関や軍向けの監視テクノロジーを主力とする企業である。

MetaとRank Oneの契約では、顔認識技術に加えて「生体検知(liveness detection)」技術の利用も認められている。これは、カメラが捉えている対象が写真やマスクではなく、実在する人物かどうかを判定する機能である。

また、WiredがMeta AIアプリ内に存在していたコードを調査したところ、休眠状態にある顔認識機能「NameTag」の中からRank Oneのツールの痕跡が見つかったという。具体的には、ライセンスを読み込み、顔認識ソフトウェアを有効化する処理などが含まれていた。

MetaはRank Oneとの提携内容や、顔認識技術全般への関心について多くを語っていない。しかし、Meta AIアプリ内には「NameTag」という未公開のAI顔認識ツールが発見されており、「ほぼ実装準備完了の状態」にあると報じられていた。

一般に、民生向けハイテク企業がRank Oneのような企業と提携すること自体は、それほど意外ではない。『ポケモンGO』開発元Nianticから分社化したNiantic Spatialも、防衛産業とつながりのあるVantorと提携している。

しかし、市民権団体や米国の議員を含む多くの人々が、スマートグラスへの顔認識機能搭載に強く反発している。そのさなかに「監視テックそのもの」を採用することはマイナスの印象が強く、Meta自身も積極的に打ち出したいとは考えにくい。

とはいえ、「スマートグラスが知り合いを検知すると通知する」機能は便利であることも確かだ。Metaが世論の反発を避けつつ顔認識技術の実装を目指すのか、それとも断念するのか。今後の展開は興味深いところである。

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