Safariによるプライバシー保護をテーマとしたCM公開

iPhoneユーザーが選ぶべき「安全なブラウザ」はSafariなのか

山本 敦

Safariの「プライバシーレポート」では、訪れたすべてのウェブサイトで、Safariにより護られたプライバシーの履歴を確認できる(Image:Apple)

Safari(サファリ)は、iPhoneやMacなどのAppleデバイスに標準搭載されているウェブブラウザだ。アップルはSafariの強みを閲覧速度や使いやすさだけでなく、ユーザーが追加設定を行わなくても、標準の状態で幅広いプライバシー保護機能が働く点にも位置付けている。

アップルは毎年、Safariによるプライバシー保護をテーマとした動画CMを制作しているが、その最新作が6月4日に、「iPhoneのプライバシー」というタイトルで公開された。動画はApple JapanのYouTube公式チャンネルのアーカイブなどから視聴できる

「悪意あるトラッカー」の煩わしさを視覚化したCM映像

その内容は、iPhoneでウェブブラウジングを楽しむユーザーに、「悪意あるトラッカー」に扮したキャラクターがどこまでもつきまとうというもの。トラッカーはオフィスや自宅、アウトドアキャンプのテントの中にまで現れ、iPhoneの画面をのぞき込もうとする。しかし、ブラウザをSafariに切り替えた途端、トラッカーは水しぶきを上げて消えてしまう…。

アップルは例年の通りビデオの公開と同時期に、iPhoneのプライバシーをテーマにした街頭広告、ウェブのデジタルバナーも広く展開する。

今回の新しい映像広告は、iPhoneユーザーが何気なくウェブを閲覧する際にもプライバシーが脅かされていることを、視覚的にわかりやすく伝える内容になっている。

不正なトラッキングを徹底的に防ぐSafariの機能

アップルはSafariの特徴について、デバイスを箱から出して、初期設定を済ませた直後からプライバシーが守られるブラウザであるとしている。

昨今、多くのウェブサイトには広告会社やデータブローカーによるトラッカーが組み込まれている。これによりユーザーが何に関心を持ち、何を購入しようとしているのか、あるいはどこへ向かおうとしているのかまで推測される可能性がある。

アップルは、こうしたサイトをまたいだ追跡を防ぐため、長年にわたってSafariのプライバシー保護機能を強化してきた。

その中核となるのが「インテリジェントトラッキング防止機能」だ。機械学習を用いて、ユーザーを追跡しようとするドメインを識別し、端末上のトラッキングデータを自動的に削除する。さらに「プライバシーレポート」では、どのようなトラッカーがブロックされたのかをユーザー自身が確認できる。

Safariの設定。「サイト越えトラッキングを防ぐ」機能がデフォルトでオンになっている

Safariはまた、フィンガープリンティングへの対策にも力を入れている。これは端末の構成やフォント、画面解像度などの情報を組み合わせて、個人を識別しようとする手法だ。Safariはこうした情報を単純化して見せることで、ユーザーが特定されにくい状態を作っている。

加えて、ブラウザの機能拡張についても、それぞれがアクセスできる情報や対象サイトについてユーザーが細かく管理できる。プライベートブラウズ機能は、ユーザーによる閲覧履歴を残さないだけでなく、トラッカーのブロックや、リンクに含まれる追跡用パラメータの削除にも対応している。

自律型AIがブラウザを操作する時代が来る

アップルは、2025年12月13日に配信を開始したiOS 26.2から、日本の「スマホソフトウェア競争促進法(スマホ新法)」施行に伴う規制により、iPhoneのiOSについては端末をセットアップする際などに、デフォルトブラウザをユーザーに選択させるチョイススクリーンの機能を導入した。

iOS 26.2以降から、デバイスの初期設定の際などに、デフォルトのブラウザをユーザーが任意に選択する画面が表示される

それ以前からも、iOSにはSafari以外のブラウザをデフォルトとして設定できる機能がある。初期設定を済ませた後から、任意のタイミングで切り替えることも可能だ。

だが、アップルはiOSにチョイススクリーン機能を導入して以降、どの程度のiPhoneユーザーがSafari以外のブラウザをデフォルトに設定しているのかについて、調査データなどを公表していない。

デフォルトのブラウザ指定は後からでも変更可能だ

また、毎年展開しているSafariのプライバシーキャンペーンについても、その効果測定に関する具体的な発表はない。そのため、プライバシー保護機能という観点からSafariのブランド認知がどの程度高まっているのかを把握することは難しい。

一方で、5月にGoogleが開催した開発者会議「Google I/O」では、ブラウザ上でクラウドワークスペースのアプリケーションとも連携し、ユーザーに代わってさまざまなタスクを実行するAIエージェント「Gemini Spark」も発表された。

おそらく今後、ウェブブラウザの進化をめぐる争点はユーザーのプライバシーを守り、AIが意図しないタスクを誤って実行するリスクを抑えながら、より深くユーザーに寄り添うパーソナライズされたサービスを提供できるかどうかにも広がるだろう。

アップルが丁寧に築き上げてきた「安心・安全なSafari」というブランドイメージを保ちつつ、AIエージェントとの共存をどのように図っていくのか。今後の展開が注目される。

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