他社スマートウォッチのユーザーにも試してほしい

画面のない「Fitbit Air」レビュー、睡眠計測に最適? AIで進化した「Google Health」も使ってみた

編集部:平山洸太

「Fitbit Air」

Googleから、新たなフィットネストラッカー「Fitbit Air」が登場した。スマートウォッチから画面を取り除いたようなデザインで、シンプルかつ軽快に日常を計測できるのが特徴となっている。

今回、発売前に実機を借りることができ、約1週間ほど着用して過ごすことができた。同じくして登場する「Google Health」アプリの使用感とともに感想をお伝えしていきたい。

軽くて快適なFitbit Air

Fitbit Airは「24時間365日装着していても快適なデザイン」を目指して設計したと説明されているように、機能を省くことで、薄く軽量なデザインを実現している。バンドはObsidian、Fog、Lavender、Berryの4色が用意されているが、今回は淡い緑色をしたFogを試した。

試用中は基本的に、入浴時以外は腕に着けっぱなしだったが、ときには着けていることを忘れている瞬間もあった。実測の質量はバンドを含めても約11.8g。同社のスリムな画面付きのスマートバンド「Fitbit Charge 6」が約30gであることを考えると、大幅に軽くなっている。

装着感も快適だった。最近は暑い日が増えてきたが、リサイクル素材を使った布製のバンド「パフォーマンス ループバンド」は蒸れる感じもない。バンドの幅は測ったところ18mmほどで、一般的なスマートウォッチよりもスリムになっている。バンドは5,499円(税込)から購入することも可能だ。

マジックテープで腕に合わせて大きさを調整できる

セットアップ時のガイダンスでは、「バンドをきつく締めすぎない」ことが注意されている。「心拍数センサーは、デバイスがきつすぎない状態で常に肌と接触しているときに、最も適切に機能」とのことなので気をつけたい。

セットアップ時のガイダンス

余談だが記者は腕が細めで、普段はPixel Watchを愛用しているが、45mmはあまり合わないので41mmのモデルを選んでいる。Fitbit Airのバンドはしなやかで、かつ本体部分も小さいので、細めの腕でも浮くことなくフィットできるのが気に入った。

Fitbit Airの価格は16,800円(税込)と、ディスプレイがないのに割高と感じるユーザーもいるかもしれない。だが、エントリーモデルに搭載されないような皮膚温センサーを備えているなど、コスト優先の製品ではなさそうだ。他にも、心拍測定、血中酸素ウェルネス(SpO2)、安静時の心拍数、心拍変動(HRV)などを計測できる。

本体は「ペブル」という呼ばれており、大きさは人差し指の先くらいと小さい。これをバンドにはめ込むことで装着できるようになる。ペブル単体では実測で約5.2gほど。

軽く装着感も良いので、日中はGoogle Pixel Watchを使い、夜間は睡眠データのために付け替えるといった使い方もGoogleは提案している。AndroidだけでなくiOSにも対応するので、iPhoneを使っているユーザーも利用できる。

これが本体部分

バッテリーは約1週間と公称されているが、今回の場合は7日間使っても、フル状態から使い始めて32%残っていた。まだ体験できていないが、充電が必要になると振動して知らせてくれるようだ。

また、本体の横側にステータスライトを備えていて、デバイスをしっかりとタップすると点灯でバッテリー残量を確認できる機能もある。充電は、本体のセンサー側に付属のケーブルをマグネットで取り付けることで充電が行える。

個人的には、振動機能を搭載していることも気に入った点だ。近年のディスプレイ非搭載のものはデジタルデトックスを意識していて、ノイズとなる振動機能を搭載していない製品もある。また、注目度が高まっているスマートリングも同様に振動機能を搭載していない。

Fitbit Airは「ユーザーが目の前のことに集中できる」として、デジタルデトックスを意識している製品だが、振動機能を搭載している。スマートフォン等の通知には対応しないが、振動によるアラーム機能や、高/低心拍数の通知を受けられる。振動の強さも2段階から調整できる(オフも可能)。

画面はないもののアラームに対応する

アラームはアプリから最大8個まで設定可能だ。曜日ごとの繰り返し、9分ごとのスヌーズ、最適な睡眠ステージ(設定時刻とその30分前の間)で起こしてくれるスマートアラームにも対応する。本体をダブルタップするとアラームを止められる。

AIでデータを読み解けるGoogle Health

Fitbit Airと同じくして登場する、Google Healthアプリにも注目したい。これまではFitbitアプリとして提供していたものがアップグレードされるかたちだ。Fitbit Airの箱にも、Google Healthのロゴが大きく印字されている。

Fitbit Airの外箱

アプリはAndroidとiOSの両方で利用できる。Androidの場合はヘルスコネクト経由でサードパーティのアプリのデータを取り込むことが可能。iOSでは、純正のヘルスケアアプリの情報をGoogle Healthと連携できる。

これまでFitbitアプリでは、基本的に1つのアプリに1つのデバイスしか登録できなかったが、Google Healthによって複数の接続が可能になった。これにより、日中のPixel WatchやApple Watchと、夜用のFitbit Airという使い分けも可能になる。

Image:Google

さて突然だが、これまでスマートウォッチで睡眠や健康のモニタリングを行ってきたとして、そのデータを有効利用できたケースは多いだろうか。深い/浅いなどの睡眠状態がわかったとして、それが睡眠の質改善に役立ったシーンはどれほどあるだろうか。

あくまで記者の印象だが、スマートウォッチでモニタリングしたデータは、日常生活に活かすには専門知識が必要で、なかなか数字を読み解くのが難しいと感じていた。たとえば睡眠において、深い睡眠が少ないと言われても、どうすれば深くなるのかを検索して試行錯誤する必要があった。

そういった悩みを解決してくれそうだと思ったのが、AIを活用できるGoogle Healthの有料プラン「Google Health Premium」(月額1,580円・税込)で利用できる「Google Healthコーチ」という機能。一言で言うと、データをAIが読み込んでアドバイスしたり相談してくれるというものだ。なお、Google AI ProおよびUltraの各プランにも自動的に含まれるとのこと。

今回の試用期間中は睡眠が思うように取れなかった日も多い。そんな時には、「睡眠時間は5時間17分と短く、コンディションも57まで下がっています。布団に入って3分で眠りについたのは、体が休息を急いでいたサインかもしれません」というようなメッセージが表示された。ホーム画面がタイムラインになっており、毎朝起床後に更新される。

左と右がタイムラインの表示。睡眠のタブ(中央の画像)も新しくなっており、分析結果がメッセージで表示される

これまでの睡眠計測の結果では、睡眠ステージをはじめとしたデータが表示されるのみで、それを読み解くのはなかなか難しかった。これに合わせて「こまめに立ち上がり、血流を促す程度にする」というようなアドバイスも受け取れるのもありがたい。

ちなみに、このような状態を続けていたら「ここ数日の活動量と睡眠不足で、体が本格的に求めているサインです」と警告されてしまった。体感では問題なくても、「ウォーキングは控える」「なるべく動かない」「23:30には布団に入る」といった具体的な提案をもらえるので、どれだけ休むべきかも分かりやすい。

アドバイスを受け取るだけでなく、チャットボットに質問することもできる。たとえば「どうすれば睡眠の質を上げられますか?」と聞くと、自分のデータをもとに、湿気対策や入浴タイミングなどを提案してくれる。エアコンは苦手といった好みを伝えると、それを含めた提案も可能だ。

質問する際にも、自分のデータを加味したうえで答えてくれる

もちろん医師による医学的なアドバイスではないし、AIなので不正確な情報を表示することもある。ただ、これまで読み解くことの難しかったデータをAIによって紐解けるのは面白い。まだ1週間程度しか試していないのでデメリットもあるかもしれないが、現状では「想像以上に良い」というのが素直な感想だ。しばらく使ってみて、気づくことがあれば追ってレポートしたい。

Google Healthは上述の通りヘルスコネクト経由からのデータを取り込めるので、Pixel WatchやFitbit Airを持っていないユーザーも利用できる。Apple Watchのユーザーも連携して試せるはずなので、ぜひ一度試してほしいと思う。

また、Fitbit Airは快適に装着できるので、まさに睡眠計測に最適なデバイスだ。これまでスマートウォッチを使っていても睡眠計測をしていなかった方は、ぜひFitbit Airから睡眠計測に挑戦してみるのも良いかもしれない。

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