Metaの覇権にアップルとサムスンが挑戦

アップルとサムスンが挑む“AIグラス”。戦略の違いと予想仕様まとめ

多根清史

Image:PJ McDonnell/Shutterstock.com

近年、AIスマートグラス市場は急速に拡大している。この流れのなかで、アップルとサムスンも同市場への参入を計画しているとみられる。前者は公式には言及していないが、後者についてはモバイル事業部幹部が軽量なAIグラスを開発中であると明らかにしている

両社はスマートフォン市場で長年競合してきたが、その構図はスマートグラス分野にも持ち込まれる見通しである。一方で、現時点ではMetaが市場をリードしており、アップルとサムスンはいずれも後発の挑戦者という立場にある。

以下では、これまでの有力リーク情報や公式発表をもとに、両社のAIスマートグラスについて整理する。

アップルのスマートグラス

開発状況と位置づけ

MetaのRay-Banスマートグラスに対抗するプロジェクトとして、Vision Proの開発チームが主導しているとされる。かつては「発売は数年先」とみられていたが、ディスプレイ非搭載とすることで技術的ハードルを下げ、開発は加速しているという。

ハードウェア構成(カメラ・チップなど)

  • 2つのカメラに加え、マイク、スピーカー、各種センサーを搭載
  • 高解像度カメラ:写真・動画撮影用。iPhoneと同様にSNS共有を前提とする
  • 低解像度・広角カメラ:手のジェスチャー認識用。Siriのビジュアル入力として機能
  • 専用の省電力チップを開発中。Apple Watch向け技術をベースに電力効率をさらに高めつつ、複数カメラ制御に最適化された設計となる見込み
  • 電力効率向上のため、一部機能や部品は意図的に削減される

ディスプレイ有無とAR機能の方針

  • 初代モデルはディスプレイ非搭載
  • フル機能のARメガネは棚上げ状態
  • 最大の制約はバッテリーであり、LiDARや3Dカメラなど高消費電力のAR関連機能は見送られる見通し

デザイン・プライバシー配慮

  • 4種類のフレームデザインをテスト中(ブラック、オーシャンブルー、ライトブラウンなど)
  • 「ひと目でアップル製品と分かる」外観を志向
  • 素材には植物由来アセテートを検討。高い耐久性と高級感を両立
  • 前面カメラは楕円形モジュールに集約し、周囲にインジケーターライトを配置。撮影中は点灯し、プライバシー懸念に配慮

ソフトウェア・AI連携と発売時期

  • iOS 27で導入予定の高度なSiriと統合
  • 音声操作で撮影、通話、周囲の状況に関する質問などが可能
  • 試作機はすでに社内配布済み。2026年に一部プレビュー、2027年発売の見通し

サムスンのスマートグラス(Galaxy Glasses)

全体像とポジション

Android XRベース製品として、ヘッドセット「Galaxy XR」に続く位置づけとなる。少なくとも2モデルが準備されていると噂される。

ハードウェア構成

  • 12MPのオートフォーカス対応カメラを搭載(写真・動画用途を前提)
  • Snapdragon AR1プロセッサ採用見込み
  • バッテリー容量は約155mAh(245mAh説もあり
  • 骨伝導スピーカー搭載
  • フォトクロミック(調光)レンズを採用

GoogleのGeminiとの統合

  • 音声、カメラ映像、位置情報を組み合わせた「視界ベースのAIアシスタント」として設計
  • リアルタイム翻訳、物体認識、ナビゲーションなどに対応
  • グラス側は入力デバイスとして機能し、AI処理は接続されたGalaxyスマートフォンで実行

デザイン・筐体・バリエーション

Image:OnLeaks/Android Headlines
  • OnLeaksとAndroid Headlinesのレンダリングでは、Ray-Ban風のクラシックなフレームを採用。テンプルはやや太めだが、過度に未来的ではない外観
  • Gentle MonsterおよびWarby Parkerとの提携を公表済み。Gentle Monster:高級志向・ファッション性重視、 Warby Parker:一般向け・比較的手頃な価格帯

発売時期の見込み

  • 「One UI 8.5」および開発中の「One UI 9」に関連アイコンが確認されており、開発は最終段階に近い可能性がある
  • 夏の「Galaxy Unpacked」で、Galaxy Z Fold8/Flip8などと同時発表される可能性がある

関連キーワード: