HW3搭載テスラ車オーナー「約束と違う」

マスク氏、数百万台のテスラ車は「監視なし完全自動運転」のためにアップグレードが必要と述べる

Munenori Taniguchi

Image:Tesla

テスラのイーロン・マスクCEOは2026年第1四半期決算発表で、一般消費者向け車両に対する監視なしのFSD(完全自動運転)機能は早くても2026年第4四半期まで実現しないと述べた。

また、同社の第3世代自動運転ハードウェア「HW3」搭載車両のオーナー数百万人が気になっていた、自分たちのクルマに対して将来のソフトウェアアップデートで監視なしFSDが提供されるのかという問いに対して、マスク氏は「HW3には、監視なしの完全自動運転を実現する能力が単純に備わっていない」ことを明らかにした(最新の自動運転ハードウェアはHW4)。

同氏は、HW3搭載車に対しては、6月末までに現行のFSDソフトウェアの若干高度なバージョン(v14 Lite)を提供するとも述べたが、おそらく慰めにしかならないだろう。HW3搭載車オーナーのなかには、完全自動運転のために2019年のHW3発売時、6000ドルを払ってHW2からアップグレードした人もある程度はいるはずであり、今後テスラに対して訴訟が起こされる可能性もありそうだ。

マスク氏は以前、2018年までに完全自動運転が実現し、2020年末までに100万台のロボタクシーを走らせると述べていた。

このうち前者がいまだ実現していないのは言うまでもない。一方後者は、2019年にテスラが第3世代自動運転ハードウェア、いわゆる「HW3/ AI3」を発表したときの発言で、マスク氏は当時、HW3搭載車両を所有していれば将来的にソフトウェアアップデートで完全自動運転機能が提供され、またクルマを使用しない時間帯にロボタクシーとしてテスラに貸し出すことで、収益をあげられるようにもなると顧客に説明していた。

そして、すでに販売されたHW2搭載車約50万台が(6000ドルの顧客負担で)HW3にアップグレードすれば、2020年末までに新規販売されるHW3搭載車両と併せて、100万台の “ロボタクシー” が利用可能になるとも述べていた。

それ以降も、マスク氏は2025年6月までに監視なしのFSD(完全自動運転)を実現すると述べている。その期限が過ぎた今年はじめには同機能の安全な展開には100億マイル分の走行データが必要だと主張して、結局は監視なしFSDの提供を先送りしてきた。電気自動車関連ニュースサイトのElectrekは、テスラのFSDを使用しての累計走行距離が100億マイルに達するのは2026年7月頃になるとの予測を伝えている。

だが、テスラはいまだ顧客に対しレベル2の先進運転支援機能(ADAS)しか提供していない。また同社が米テキサス州オースティンで提供しているロボタクシーサービスも、ほとんどが運転席に同社従業員が搭乗する状態であり、しかも全体で十数台ほどしか走っていないと報じられている。 

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