予定高度の半分以下で衛星を放出していました
米当局、New Glennロケットに飛行停止命令。衛星の軌道投入失敗に対し「再発防止」調査へ

米連邦航空局(FAA)は、4月19日にケープカナベラル基地から打ち上げられたBlue OriginのNew Glennロケットに対して飛行停止命令を出した。
FAAは、予定より低い軌道にペイロードの人工衛星を投入してしまったこの打ち上げにおける「不慮の事故」に関し「公共の安全性を高め、事故の根本原因を特定し、再発防止のための是正措置を講じる」ための調査を実施するとしている。
New Glennロケットは2度の噴射によって、AST SpaceMobileが軌道投入を依頼した通信衛星を、高度約460kmの軌道に投入するはずだった。しかしテレメトリーのデータによると、衛星の軌道投入時の高度は「計画よりも低い」約153kmだった。この高度で放出されたところで、衛星が自力で予定高度まで移動することは難しく、AST SpaceMobileは日曜日時点でもはや回収も不可能と判断、大気圏に再突入させる予定だと述べた。
一方、Blue Originのデイブ・リンプCEOは月曜日に発表した声明で、この打ち上げで起こった衛星の軌道投入失敗について、上段ロケットのエンジンの1つが「目標軌道に到達するのに十分な推力を発生させなかった」と考えていると述べたが、同社はそれ以上の詳細な情報を公表していない。
AST SpaceMobileは、紛失した衛星の費用は保険によって保障されるとしている。また同社のサービスを維持するために今後も複数の衛星を打ち上げる予定であり、数週間以内には次の準備が整うとしている。なお、同社はBlue Originだけでなく複数の衛星打ち上げ企業と契約を結んでいる。
Blue Originは現在、New Glennをただの軌道打ち上げ用ロケットとしてだけでなく、米国政府の国家安全保障任務を得るべく、米国宇宙軍に対し認証申請手続きを行っている最中だ。
これに今回の飛行停止措置がどう影響するかはまだわからないが、Amazon LEO用の衛星コンステレーション打ち上げをはじめとする将来の商業ミッション予定や、NASAとトランプ政権が推進し月面への有人着陸を目指すアルテミス計画の進捗にも影響が及ぶ可能性が考えられる。
