国防総省以外はAnthropicの技術力を無視できず
米国防総省が締め出したAnthropic、トランプ政権内では急接近か

最近、AI企業Anthropicは米国防総省から「サプライチェーン上のリスク」に指定されたが、同社とトランプ政権の関係は依然として「冷え切っていない」と報じられている。
まずBloombergは12日(現地時間)、スコット・ベッセント財務長官とFRB議長ジェローム・パウエルが、大手銀行のトップに対してAnthropicの新モデル「Mythos」を試すよう促していると報じた。
この報道をAnthropic共同創業者ジャック・クラークも認めたようであり、リスク指定は本質的には「契約をめぐる狭い争い」であり、同社が政府に技術ブリーフィングを続ける姿勢を示していた。
そんななか、ニュースメディアAxiosによるとベッセントとホワイトハウス首席補佐官スージ・ワイルズが、Anthropic CEOのダリオ・アモデイと会談を行ったという。ホワイトハウス側も、この会談を「生産的かつ建設的」だったとしつつ、「協業の機会」や「この技術の拡大に伴う課題にどう対処するか」といった点を話し合ったとコメントしている。
同様にAnthropic側も声明を出し、アモデイが政府高官らとサイバーセキュリティ、AI競争における米国の優位、AI安全性などをめぐって「生産的な議論」を行ったと発表。さらに「協議を続けることを楽しみにしている」と付け加えている。
そもそもの対立は、軍によるAnthropicモデルの利用範囲をめぐる交渉決裂から始まったとされる。Anthropicは自社技術が「完全自律型兵器」や「大規模な国内監視」に使われないようにセーフガードを維持しようとしたが、折り合いが付かなかったという。結果、同社は2億ドル規模とされる軍事契約を拒否した。
なお、OpenAIはAnthropic排除の決定が報じられた直後、自社モデルを国防総省の機密ネットワークに導入する契約で合意したと発表している。これが「Anthropicが拒否したのとほぼ同種の分野で、OpenAIは条件つきで応じた」とみなされ、「一線を踏み越えた」という構図になり、一部のメディアや有識者からの批判を集めていた。
それと前後して、国防総省はAnthropicをサプライチェーン上のリスクに指定。これは通常、外国の敵対勢力に対して使われるラベルであり、政府内での使用を大いに制限しうる。Anthropicはこの指定を法廷に持ち込み、係争中である。
しかし、トランプ政権の他の部門はペンタゴンほど敵対的ではないようであり、政権関係者はAxiosに対し、国防総省を除く「すべての政府機関」が同社の技術を利用したがっていると語っている。
先日Anthropicは上記の最新AIモデル「Mythos」を発表し、数千件のゼロデイ脆弱性を発見するとともに、その中には最大27年間にわたり見逃されてきたものも含まれていたと報告した。一般提供は危険すぎるため、まずアップルやGoogleといった大手テック企業や金融機関など防御側プレイヤーに限定してクローズド提供する「Project Glasswing」を打ち出している。政府関係者がその存在を無視することは困難だろう。
- Source: Bloomberg Axios
- via: TechCrunch
