OCAがスマート接着剤へと進化
折りたたみiPhoneの「シワ消し」、その鍵は接着剤。“光学透明接着剤”が進化へ

アップルは2026年後半に初の折りたたみiPhoneを投入するとみられるが、「ほぼシワ(折り目)無しディスプレイ」を実現する上で、進化した光学透明接着剤(OCA)がカギになると報じられている。
調査会社TrendForceのレポートによると、折り目は「パネル多層構造内の中立層のずれ」によって発生する。これにより局所的な引張応力が集中し、時間の経過とともに微細なヒビや塑性変形(力を抜いても元の形に戻らない変形)が生じると説明されている。解決の核心は、積層構造の中で中立層の位置と応力を精密に制御し、折り曲げ部へのストレス集中を抑える点にある。
その具体策の1つが、画面を保護する超薄型ガラス(UTG)である。アップルの特許では、「ヒンジ部分は薄くして柔軟性を持たせ、それ以外は厚くして耐久性を確保する」という設計が示されている。これは、厚みの不均一な超薄型フレキシブルガラス(UFG)や、二重構造のガラスでパネルを挟み込むことで応力分散を図るという報道とも一致するアプローチである。
ただしTrendForceによれば、最も重要な要素はOCAである。近年のOCAは単なる貼り付け用接着剤ではなく、「ゆっくり曲げるときはしなやかに追従し、衝撃時には一時的に硬くなる」という特性を持つ。これにより疲労を抑えながら構造的な支持も担う、 “スマート接着剤” として位置づけられる。
さらに、時間の経過とともにOCAが微細な凹凸へと流れ込み、光の散乱を低減することで折り目を目立たなくする効果もあるとされる。
このようにシワ対策の主戦場が材料側へ移る一方で、ヒンジなどの機構設計も依然として重要である。たとえばSamsung Displayは、ディスプレイ背面にレーザー穴開け加工を施した金属プレートを採用し、剛性を維持しつつ柔軟性を確保しているとみられている。
アップルは「コスト度外視でシワを消す」方針と報じられている。中国のリーカーである定焦数码(Fixed Focus Digital)氏は2月、折り目の深さが0.15mm未満、折り目角度が2.5度未満という仕様で量産オーダーが出ていると伝えていた。
折りたたみiPhoneは、9月にiPhone 18 Proモデルとともに発表される見込みである。台湾DigiTimesは量産開始が「およそ1〜2か月遅れた」としつつも、アップルはサプライヤーに対して発売遅延の通知を一切行っていないと報じている。
- Source: TrendForce
- via: MacRumors
