ただしAI専用

AppleシリコンMacで外付けGPU解禁か。AMDとNVIDIAのGPUが動作可能に

多根清史

Image:Syamoes/Shutterstock.com

アップルがついにAMD/NVIDIA製eGPU(外付けGPU)向けドライバに署名し、Appleシリコン搭載Macでこれらが動作可能になったと報じられている。

AIスタートアップのTiny CorpはXへの投稿で、同社のカスタムドライバがようやく承認され、ユーザーはGPUをMacと組み合わせてAIのLLM(大規模言語モデル)処理に利用できるようになったと報告している。

このドライバのインストールは非常に簡単で、「Qwen(中国アリババ系のLLM)でもできる」レベルだという。人間でなくとも扱えるほど容易であり、その環境で実際にAIも動かせるというニュアンスを込めたジョークである。

同社は2025年5月にAppleシリコン上でeGPUのテストを初めて行っていたが、今回Appleのサポートが得られたことで、対応ハードウェアを動作させるためにSystem Integrity Protectionを無効化するといった回避策は不要になったことを意味する。

近年、OpenClawのようなAIエージェントの台頭により、ハイエンドMacは高い人気を集めている。とくに大容量ユニファイドメモリを搭載したモデルは供給不足に陥り、納期が6日から6週間へと延びるほどの品薄状態だ。さらにアップルはMac Studioにおいて512GBメモリ構成を廃止し、256GBモデルも大幅に値上げしている。

AppleシリコンMacは2020年末の投入以来、一貫してサードパーティ製GPUに非対応であった。M2 Ultra搭載Mac Proの発表時にもGPUカード増設には触れられず、インテル版Mac Proが持っていた「必要に応じてグラフィック性能を拡張できる」という強みは失われたと指摘されてきた。

その背景としては、ひとつはAppleシリコン単体で十分なグラフィック性能を持つとユーザーに認識させたい意図、もうひとつはアーキテクチャ上「外付けGPUに対応したくても容易ではない」という制約があると推測されていた。

今回のドライバはGPUベンダー純正ではなく、Tiny Corpが独自に開発した可能性が高い。そのため用途はゲーム向けの性能拡張ではなく、AI処理に特化したものとみられる。仕事と娯楽を1台に集約したいユーザーの期待には応えないだろう。

それでもなお、AI分野に取り組む人々にとっては大きな転換点である。個人や中小規模の企業でも、現実的なコストで高度なトレーニングや推論を行える可能性が生まれたことを意味する。

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