あくまでSwitch 2側は無改造

Switch 2にM.2 SSD直結成功。安価なストレージ拡張の突破口か

多根清史

Image:laur2321/Shutterstock.com

Nintendo Switch 2の内蔵ストレージ容量は256GBにすぎず、現行世代のゲーム機としては小さい。一方で、後付けストレージは高価なmicroSD Expressカードに限られているため、ダウンロードソフトが増えるにつれて容量不足に悩まされるユーザーも少なくないだろう。

そうしたなか、Switch 2に比較的安価なM.2 SSDを直結し、認識に成功したとの報告が出ている。これを成し遂げたのは、日本のゲーム系ハードや入力デバイス寄りの同人ガジェット作者/モッダー(ハード改造家)である「みずようかん」氏である。

これまでも同様の挑戦例はあったが、いずれも「microSD ExpressのPCIe Gen3 x1信号を、そのままM.2 2230 SSDのピンに引き出すだけ」という手法に留まっていた。この方法では物理的には認識されるものの、Switch 2側では「microSDカードにアクセスできません」といったエラーで弾かれ、ストレージとして利用することはできなかった。

今回、みずようかん氏が採用したアプローチは、カスタムメイドのPCB基板を用いるものである。従来との大きな違いは、基板上に別のmicroSD Expressカード/スロットをはんだ付けしている点にある。

同氏の説明によれば、差し込んでいる512GBのM.2 SSDよりも小容量のカードを併用しているという。Switch 2側のデータ管理メニュー上ではM.2 SSD側のストレージが追加ストレージとして認識されており、ハンドシェイク(ホストとストレージがデータ転送前に行う初期のやり取り)が成立していることが確認できる。

microSD Expressカードは、「SDコントローラ+PCIe/NVMeストレージ」という二段構造を持つ。このうちSwitch 2側からはSDコントローラのみが認識され、背後ではPCIeレーンがアダプタを介してM.2 SSDへと接続されている構造になっていると考えられる。言い換えれば、「ハンドシェイクはSDコントローラ側に任せ、その裏にM.2 SSDを接続している」という仕組みとみなすことができる。

もっとも、この成功は大きな進展ではあるものの、実用面ではいくつかの課題が残る。まず、M.2 SSDアダプターは携帯性に優れているとは言い難く、バッテリー消費も大きくなる可能性がある。実際、このケースでもPCB基板に十分な電力を供給するため、外部のUSB電源に依存しているようだ。

さらに、microSD Express側のストレージ容量が活用されない可能性がある。たとえばmicroSD Express 256GBカードとM.2 SSD 512GBを組み合わせた場合、実際に使用できるのはM.2の512GBのみであり、256GB分は認識されず無駄になると考えられる。

とはいえ、AI需要によるメモリ(RAM・NAND)不足の影響で、日本では大容量のmicroSD Expressカードが高騰している。とくに1TBモデルの価格上昇は顕著である。それと比較すれば、SSDも値上がりしているとはいえ、相対的には依然として安価な選択肢である。

すでに内蔵ストレージの不足を訴えるSwitch 2ユーザーも目立ち始めている。メモリ価格の高騰は任天堂やゲームメーカー側で解決できる性質の問題ではないため、今後はゲームデータの圧縮技術により一層の注力が求められる可能性がある。

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