安全装備のはずが…
中国製エアバッグ膨張装置が手榴弾化。10人以上の死傷事例、米当局が永久禁止を検討へ

米国家道路交通安全局(NHTSA)は、中国DTN製の自動車用エアバッグシステムについて使用禁止措置に向けた検討を開始したと発表した。米国ではこれまでに、12件の交通事故で同社製のエアバッグインフレーターが破裂し、10人が死亡、2人が重傷を負っている。また12件の事例のうち少なくとも10件は、エアバッグが作動する交通事故を一度起こし、その修理の際に、アフターマーケット製品としてDTN製エアバッグが取り付けられていた。
NHTSAは2025年10月にこれらのDTN製インフレーターに関する調査を開始している。当初の報告によれば、この「基準を満たさない中国製エアバッグインフレーター」が爆発し、大きな金属片が運転手の胸や首、顔、目に飛び散ると述べた。
またNHTSAは、調査対象となったエアバッグ部品はヒュンダイ・ソナタとシボレー・マリブに搭載されていたが、他のメーカーや車種にも同様の部品が使用されている可能性があるとし、米国に流入した問題あるインフレーターの数を特定しようとしている。
今回の問題は、修理業者が違法に輸入された可能性のある粗悪なエアバッグを購入し、修理車両に取り付けることでコスト削減を図っていた可能性を示唆している。いずれにせよ、その結果は悲惨なものというほかない。
ショーン・P・ダフィー米国運輸長官はこのエアバッグインフレーターについて「自動車修理工場における違法な中国製エアバッグの使用に関する初期調査の結果、これらの基準を満たさない部品が、アメリカの家族の命を奪っているという憂慮すべき事柄があることが判明した」と述べた。
そして政府当局はこれらのエアバッグが身元不明の輸入業者によって「おそらく違法に」アメリカに持ち込まれていると主張し、永久的な販売停止を検討しているとのことだ。
ただし、この初期決定は一連の手続きの一環であり、DTNにはこの内容に異議を申し立てる機会も与えられる。そして手続きが完了した後、NHTSAはエアバッグに組み込まれているものや別売りされているものを含め、DTN製インフレーターを禁止するか否かの最終決定を下すことになる。
すでに2桁の死亡例が発生していることを考えると、訴訟大国の米国でこれが訴訟沙汰になっていないはずもない。モーガン&モーガン法律事務所のアンドリュー・パーカー・フェリックス氏は、そのうち3件の訴訟を担当しており、「NHTSAがこのエアバッグインフレーターの危険性を認めたことは、違法な偽造品が流通経路に入り込み、車両に搭載されるのを防ぐための重要な第一歩となる」と声明で述べた。
フェリックス氏はさらに、「われわれが調査したどのケースでも、衝突事故は死に至るようなものではなかったはずだ。だが、エアバッグのインフレーターはまるで手榴弾のように作動し、本来は命を救うはずの装置を処刑装置のようにしてしまった」と付け加えた。
- Source: NHTSA
- via: Gizmodo Automotive World
