警官に運転してもらうのは是か否か
Waymoロボタクシー、火事渋滞でUターン指示守れず立ち往生。警官に運転してもらう事態に

昨年8月30日夕方に、カリフォルニア州レッドウッドシティ近郊の州間ハイウェイ280号線で、炎上した車から道路両側の草地に火が燃え移る火事が発生、現場を通りかかったWaymoのロボタクシーは立ち往生し、Waymoオペレーターによる遠隔からの運転支援もできなくなる事態が発生した。
当時、この現場で交通整理にあたったハイウェイパトロールの警官は、現場に走ってきた自動車に対し、逆走して手前にあった出口から一般道へ迂回するように指示をしていた。そして、その指示を受けたクルマのなかの1台がWaymo車両だった。
だが、このロボタクシーは警官の指示を理解できず、火災の続く方向へ走行しようとしたという。そして、渋滞を避けるために路肩へ出たところ、その路肩上で今度は出口へ向かうために逆走してきたクルマと鉢合わせしてしまい、後退せざるを得なくなった。ところが、少しの距離を後退したところで、ロボタクシーは停止し、走行できなくなってしまった。この問題の発生当時、別の車から撮影された動画には、逆走車とかち合ってしまったWaymoの様子が映っている。
度重なるイレギュラーな運転要求のせいか、ここでロボタクシーは遠隔の運転支援も受け付けなくなっていた模様だ。TechCrunchが入手したWaymoの音声データによると、同社の遠隔オペレーターは万策尽きたのか、911(日本の110番通報に相当)に電話をかけ、現場の警察官にロボットタクシーを移動させ、車内の乗客の送迎を手配してほしいと依頼した。
通報から30分ほど経過した頃、連絡を受けた警官はWaymoの運転席に乗り込み、自らハイウェイの出口まで同車両を運転して近所の駐車場にロボタクシーを駐車させた。Waymoはその後、民間のレッカーサービスもしくは社内要員の手によってこの車両を回収したという。
この一件は、Waymoのロボタクシーサービスにおいて、まれに発生することが避けられない、対外的にもお粗末さを感じさせる問題と言えるだろう。あくまで例外的な問題と言えそうだ。
なお、Waymoの運転支援クルーはアリゾナ州、ミシガン州、そしてフィリピン国内2か所の計4か所の運転支援センターに配置されており、約70人が常時対応しているという。そして、Waymoの車両が事故に遭ったり、緊急事態に陥ったりした場合、同社は国内の運転支援センター内の「イベント対応チーム」に頼ることになっており、必要ならチームはWaymo社内または提携する民間のロードサービスに出動を要請するという。
Waymoによると、イベント対応チームは「緊急対応要員との連携や衝突後の手順管理といった、より複雑な業務に対応できる資格を有している」とのことだが、遠隔サポートであることには変わりない。そして、今回の一件でハイウェイパトロールにロボタクシーの移動を依頼したのもそのチームの一人だったと考えられるが、Waymoはそれを認めていないという。なお、同社は乗客に車両の運転を代行するよう求めることは決してないと述べている。
そしてややこしい話だが、Waymoは火事のあった280号線で、Waymoの車両が停車していた地域では、現在のところ配車サービスを提供していないと述べている。同社は、乗客がWaymoの従業員であったかどうかについては明らかにしていない。
ちなみに、Waymoにとってこれは自社だけで車両の操作を完遂できなかった唯一の事例ではない。同社はこれまでに、少なくとも6度は、警官や救急隊員など、税金で運営される公共の緊急対応要員に車両移動を依頼しており、その中には銃乱射事件に対応中の警官に依頼したケースもあったとのことだ。
さらに、昨年12月に発生したサンフランシスコの大規模停電の際にも遠隔支援が不能になり、車両を安全な場所に移動させる際に、一部を公共の緊急対応要員に頼っていた。このことは、サンフランシスコ緊急事態管理局のエグゼクティブディレクター、メアリー・エレン・キャロル氏らによって、立ち往生した自動運転車が緊急対応要員の業務を妨げたり、本来の業務から引き離したりしたのではないかと、問題視されている。
同氏は、「ある意味、彼ら(公共の緊急対応要員)はこれら(Waymo)の車両に対するデフォルトのロードサービスのような存在になりつつある」とし、企業サービスが、本来なら一般市民のための人員を日常的に利用する状況は容認できるものではないと指摘している。
- Source: Mountain View Voice Tech Crunch
- Coverage: Reuters
